撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

これ以上のしあわせ(純情きらり)

 杏子さんが結婚を決意した。鈴村さんとさっちゃんと家族になる
ことを決めた。自分にとって、どれほど大切な人たちか、わかった
から・・・。


 桜子と話す杏子。さくらちゃんに好きな人ができたら、そのときは
わたしが応援してあげるから、という杏子に、そんなことないような
気がする。家族とこうしている、これ以上の幸せなんてないような
気がする・・と言う桜子。わざと、笛姉ちゃんと、亨ちゃんと加寿ちゃん
と、みんな・・っていってた桜子だけど、そこに、冬吾がいるという
ことは、桜子にとってどうなのか・・・。自分の気持ちをなだめようと
わざと「家族」っていってるような感じだけれど、逆にいうと、彼女が
初めてこんなに意識している男の人が「家族」だというのも、それは
桜子と家族の関係を表しているような気がする。杏子と違って、桜子は
まだ家族から離れていない。笛子と反発しあいながらも、笛子から
完全に離れることが出来ずにいる。笛子は、桜子にとって、「家族」
そのものだ。


 桜子が、「だれかと一緒になっても、これ以上の幸せなんて・・」
と言った時に、杏子は、「そうお?」と優しく笑っていた。今の桜子の
心の内を無理矢理覗き込もうとしないところも、彼女の優しさだが、
それ以上に、杏子から感じたのは、人を愛している自信だ。揺れ動いて
いる桜子を優しく見つめる杏子は、「さくらちゃん、ほんとに人を
愛したときにはね、そんなこと全部関係なくなるから。だれかや何かと
比べたり出来るものじゃないんだよ。あなたがそんな気持ちでいる間は
それはまだほんとの愛する人に出会ってないのか、ほんとの愛に気づいて
ないかだよ。何も心配することはないんだからね。」ってそんな風な
ことを語りかけているように見えた・・・。