ピアノより大切なひと(純情きらり)
達彦がかねに、「好きなことさせてもらったよ。音楽学校に行かせて
もらった。半年だけだけど、ほんとに楽しかった。・・夢のようだった
よ・・」と話す。家に帰ってから、父の死の直前に弾いてから、聴くこと
のなかった、達彦のピアノだった。
すべてを整えられて、それでもなお、桜子の未来を縛りたくない達彦は、
結婚を承諾しない。かわりに桜子の家に届けられた、お父さんのピアノ。
「どこにいても、君がピアノを弾いている、そう思えることが、僕の支え
です」そう手紙に書いた達彦からのプレゼントだった。
いつも、ふたりの間にはピアノがある。ピアノを通して、相手を思い
やったり励まし合ったり・・。いつか気づくだろうか?それとも、もう
気づいているのだろうか?大切な人の、大切なピアノだけれど、本当は、
大切な人以上に大切なものなんかないってこと・・・。
ピアノが、大切な人を偲ぶよすがになどなりませんように・・。
いつか、ふたりの幸せな未来を奏でてくれますように・・・。
- 作者: 毛利恒之,山本静護
- 出版社/メーカー: 自由國民社
- 発売日: 2004/08
- メディア: 大型本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る