ありがとう(スカーレット 48 )
「忘れんとってくれてありがとう」
フカ先生の一言
記憶を持ち続けるということは大変なことだ
ものごとの記憶はそれ自体がエネルギーを持つ
幸せな記憶はそのエネルギーを与え続けてくれるけれど
辛い記憶は思い出すたびにいやどこかで持ち続けていること自体に
大きなエネルギーを使う
八郎にフカ先生が掛けたこの一言に様々な想いを抱く
八郎は謝るだけでなくお礼を言った
ずっと大切にしていた深野心仙の絵は白いお米と玉子に変わった
お祖父さんの大事にしていたいつも床の間で見ていた絵
それを自分が売ってしまうという決心
みんなで囲んだ白いご飯と玉子の食卓
その後ろには戦争と戦後という時代にあったいろいろがあったはずだ
それでもそれはいいこともわるいこともごちゃまぜの
それでも半分はなくしたくない愛しい思い出だったからこそ
心の中にずっと持ち続けてきたものなのだろう
絵がいのちのもとの食料に変わるということ
いのちのために大切にしていた頑張って手に入れた絵を手放すということ
幸せな記憶と絵を手放した罪悪感と
八郎はそのことをずっと祖父にも謝りたかったのだろう
偶然ではなく必然に思えた丸熊陶業での深野心仙との出会い
自己紹介の日にフカ先生のほうへ視線を向けていたのは
そういうことだったのか
八郎とのやり取りの中の一言
「うちが悪いんです
適当でもいい思うたから」
喜美ちゃんは新聞社のせいにはしない
さりげない言葉にやっぱり惚れる
来週のまさかの喜美ちゃんからの壁ドン(?)
またまた次回が楽しみでたまらない