撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

おかあさん・・・(純情きらり)

 「あたしが女将さんとおりたいのよ・・」
 そう磯に言う桜子。かねと一緒にいると、達彦さんが生きている
と思える、女将さんといるのは、自分の為かもしれん、わがまま
なのかなあ・・、と。


 桜子の素直な気持ちを知った磯は、かねのところへ乗り込む。
なんて素敵なふたりの応酬。意地を張り、本音をほの見せ、
突き放し、受けとめ、懐にもぐり込む・・・。


 桜子からもらった肩掛けを、しっかり握って離さないかねが、
まるで小さな子供のように見えた。桜子を解放するために、精一杯
虚勢を張って意地悪なこといってたかねの本当の心が見えた。


 桜子に伝える磯。かねが、自分の病気に気づいている・・と感づいて
からの、磯のかねへの接し方は、たまらなく良かったな。長年の
ふたりの関係・・意地張って、見え張って、言いたいこと言い合って
それでも、ずっと気にかけていたふたり・・の全てを出し切った
ような気がした。桜子にも、あの意地っ張りの、どうしようもない
ケチが・・なんて憎まれ口ききながら、それでもかねのことをとても
愛しく思ってて、かねの心を桜子にそのまま伝えていたと思う。


 達彦の部屋で、ピアノを弾く桜子。怒るかねに、だたひたむきに
自分の想いを伝える。そして、おかあさん・・と。


 達彦の代わりにはなれないけれど、ともに達彦を待つことで、
達彦は生きていることを信じていられる。そう、ふたりが信じる
限り、達彦は生きている。


 やっと、かねさんを抱きしめてあげることができたね。ずっとずっと
そうしてあげたかったんだ、わたしも。


 かねさんと磯さんの場面は、いつも大好きでした。今日のふたりは
最高でした。かねさんが一日でも長く元気でいられて、またふたりの
やりとりを見たい・・と思うのは、わたしの我が儘でしょうか?