撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

なごりの夏の

 暑い暑いといいながら、少し日が短くなっているのに気づいた。
狂ったように、夜更けまで鳴いていたセミも声をひそめて、いまは、
虫の声が聞こえる。


 夏休みも、半分終わった。きっと今年もいつの間にか終わるのだろう。
また、ばたばたと相手をさせられながら・・・。


 季節の変わる気配を一瞬感じることがある。ああ、そうだったなって。
予告編のように、ほの見せてくれる。懐かしくて、新しい気分。


 今年の夏を楽しもう。あまりの暑さに死にそうだったわたしだけれど、
いつまでも続くわけじゃないよって、教えてくれたんだね。


 「なごりの夏の」というのは、大島弓子さんの作品のタイトルにも
ある。内容は、忘れてしまっていたけど、言葉の響きがとても好き。
その作品と勘違いしていたものは、「ほうせんか・ぱん」だった。
 すごく昔の作品だけど、なぜかよくおぼえてたのは、具合が悪くなる
と、ももの缶詰のよく冷えたのを食べさせてもらった・・というのが、
印象的だったからかなあ?


 ひとりで、こうしている時間が好きだ。心に翼をつけながら、それでも
こうして翼を休めている。自由を持っているからこそ、ここにこうして
とどまっていられる。大島弓子をこんなに落ち着いた気持ちで読むのは、
久しぶりのような気がする。