撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

大島弓子の原作だから・・

 気にはなっているんです。でも小泉今日子というのが微妙。いったい
原作と同じなのか、違うのか?
 


 とりあえず、12時からWOWOWであるようなので観てきます。



 観てて途中で気がついた。原作読んでないや。わたしが読んだこと
あるのはサバが主人公のやつだった。新しい猫が来た・・っていう
あたりまでだったかな。だから、先生に降りかかる出来事に登場人物と
一緒になって驚いてしまった。


 母が亡くなったあとに、どれだけ大島作品に助けられたかわからない
のに、なんてやつだろう。「私の作品は私にそんなに力になってくれ
ないんです」と、先生が言った時の小泉今日子の顔が何とも影があって
深い迫力があった。まるで、親不幸をしている子どもの気持ちになって
しまった。


 出てくる作品の断片も、会話にする作品の場面も、すべて分かる。
一番会いたかったのがサバだというのも分かったし、彼女がサバだと
いうこともわかった。一方で、母のことを思い出す。女がひとりで
生きていくことを心配していた母。一人の私に家族ができることを
何より望んでいた母。おまけに卵巣がんだなんて!!!


 お盆のこの日にこの作品に出会えたのはまた意味があるようで、何と
も言えない。忘れずに声をかけてくれたダンナと、「蟻地獄ソファを
貸して」というと、いつになく素直に自分のクッションを持ってきて
くれた次男に感謝しよう。


 「あなたと一緒に過ごせて楽しかった!」
それは単純にして、何よりも大切な、うれしい言葉かもしれない。


 微妙かと思った小泉今日子大島弓子さんにこだわる必要はないの
だろうと思った。ひとりの40代の女性として存在感があった。一昔前、
倍賞美津子さんなんかに感じた(タイプは違うけど)きちんと年を重ね
つつある大人の女のひとを感じられたから。加えて、昔と変わらない
ちょっとX脚気味のあしと、すこしだけお肉のついた背中がなんだか
愛おしい気がした。