撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ものがたり

 何かが起こる前と起こった後と。その何かが大きければ大きいほど、
こんなことがなければ、楽に過ごせたのに・・と思うことがある。自分で
引き寄せたことにしても、偶然遭遇したことにしても。言わなければ
良かったから、この道さえ通らなければ・・とかまで。


 それでも、落ち着いて考えられる頃には、そうか、それもまた人生って
やつだね・・と受け入れている自分に気づく。もう、あのことの前には
戻れない、と思う。どんなに無様でも、わたしは生きている。


 「ハチミツとクローバー」を今読んだところ。


 純情きらりの見過ぎ(?)で、はぐちゃんと冬吾さんを重ねてしまった!
天才と呼ばれる人と、それを支えるひと・・いま気になってるとこです。
なんでこんなにつながっちゃうのかな?花本先生の言葉が一番印象に残り
ました。
「側にいる人間が揺らいだら
 溺れている人間が掴まるものが
 無くなってしまうだろ?」


 大きな才能を、その実を結ばせるためには、やはり大変なエネルギーが
いるのだろう。それを支えてくれる人がいるのは、恵まれたこと。しかし、
自分の才能に対する重圧だけでなく、その人の人生をも背負って生きていく
ことになるのだ。創造に打ち込むこと自身が愛することと重なっていく・・。
 そして、支えるひとは、自分をからっぽにしたところに、相手の夢を
詰め込んで、共に戦いながら生きていくのだ。ふたりでいながら、ふたりで
幸せを分かち合いながらも、それでも孤独に耐えていくのか・・と思う。


 人生はものがたりだ。何が起こっても、引き返せない。しかし、自分で
切り開いていける。とりかえしのつかない悲劇ではない。わたしたちが
生きている限りは。