撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

今年もいい年になりますように

新年あけましておめでとうございます


年末最後の夜にアップしようかと思ってたら
書いている途中でもう眠たくなってそのままになってた
元日・二日はひさしぶりに息子たちも家にいたり出たり入ったりで超大忙し
作っても作ってもなくなるお雑煮の不思議にあきれ果て
もっと毎日をきちんと過ごしますからもう盆と正月は要りません!
と、宣言したくなりそうなありさ
すこし手直し加筆してアップすることにしようと思う



年末30日の花園での高校ラグビー試合を
後藤翔太さんと福岡選手が解説しているのがとてつもなく面白かった
試合自体はかなりの差がついたものだったけれど
強いチームのいいプレイのどこが素晴らしいのか
直接のプレイをしていないときどんなことを考えて動いているのか
自分のチームの中での役割
走るときディフェンスの時のからだの重心の置き方
後藤さんが福岡選手に次々に質問をして
福岡選手がそれに的確にいいテンポで答えていくというやりとり
そうしながらも試合の中でいいプレイがあったときには
すかさずその選手とプレイを具体的に褒めるという素晴らしさ
もうこれからのラグビーの試合
ずっとこのふたりで観てみたいくらい楽しかった
話を聞きながらも試合にも引き込まれていき
最後はやっぱりこれが高校ラグビー!という感動ももらった
後藤翔太さんが福岡選手に繰り出す質問の数々が
福岡選手やパナソニックというチームに興味津々というところ
それは自分の指導者としての興味と向上心でもあるだろうし
この試合をみている高校生やラグビーを愛するひとたちへの
プレゼントとも呼べるメッセージでもあったと思う
元日の試合でも後藤翔太さんの解説はとても好きだった
ともすれば点差が開くとラグビーや未来を外れて
必要以上にドラマチックやセンチメンタルに傾きがちな雰囲気を
今現在のいいプレイや問題点に注目することにより
いかにいま大切な試合をしているのか
素晴らしい時間をすごしているのか
観る人にもあとで解説を聞く選手たちにも伝えていたように思う
どちらの試合もアナウンスの方もどんどん刺激されて
放映そのものがラグビーを楽しむことに関して
とてもレベルアップして行ったような気がして
こういうことは伝わって変えていく力になるのだと感じられた



年末は滑り込みでスイミングのまずはじめの目標
息継ぎをして25メートル泳ぐということを達成できた
前から受付の方にすすめられていた個人レッスンを受けてのこと
まだそんなレベルじゃないからもう少ししてから・・と言っていたのだが
クラスの前に時間があったのとどうしてもクリアしたかったから
個人レッスンのなにがいいかというと自分のいまを見てもらってそれを伝えてもらえること
いいお手本というのは今はいろんなところで観ることができるけれど
自分がどんな動きをしているのがわからないと
どう修正していけばいいのかどう気をつければいいのかわからない
基本は何事もいまの自分自身を知るということだなあと実感
ダンスはまだ鏡である程度分かるけど水泳は全然分からないからね(笑)
30分の個人レッスンの終了間際に25メートル達成!
自分では感動的だったのだけれど
レッスンを受けたセンセイからすればそれは通過点に過ぎず
目指すべきもっと美しいフォームとそれに向けた練習を教えてもらって終了だった
あ〜・・あんなに可愛いオンナノコのセンセイなのに
アスリートはやっぱり甘くないのだった(笑)
次は200メートル普通に泳げるようになるのを目指します!


でもまあ・・・


自分をみてくれるひとがいるって有り難い
目標を持てるって有り難い
それに直接的間接的に導いてくれるひとがいるのも有り難い
そしてそれは仕事にとっても刺激になる有り難い教えでもあるし・・


そして
ほんの少しでも
その有り難い幸せを
自分がもらうだけでなく
何らかの形で循環させることができるよう
目指す方向へ動こう
目指すものへと働きかけよう
目指すありかたへ近付けるように言葉を行動を選んでいこう


すべての出会いはしあわせへと繋がりますように
今年もいい年になりますように・・・

 思いがけないこと

今年もあと少し
仕事もあと一日を残すのみ
普通に過ごせる週末もここまでだなって思った土曜日
23日はひさしぶりに夫と休みが合ったので珍しく外飲み
クリスマスが誕生日の彼にプレゼントは店のセレクトと奢ってもらった


24日は明日26日の最後の仕事の準備
今日をゆっくり過ごしたかったから


今日何があったかと言いますと
フィットネスクラブのスイミングのクラスと
ダンススタジオのサークル・・なのでした


可愛い女性のインストラクターさんでひとクラス
興味深い説明と口の悪いつぶやきのおっちゃん先生でひとクラス
二時間もプールに浸かっていてしまった
すこし進んでは悩んで逡巡
とりあえずの目標の息継ぎと25メートルは
年内に達成できるかどうか微妙なところ
それでも水の中に浮かぶ心地よさと
からだをゆっくり動かしていつまでも続けていたいという気持ち
そんな今まで思わなかった自分に出会えたことはとても嬉しい


ダンスのサークルも仕事でしばらく行けなかったから
やや忘れかけていたルーティンを思い出し思い出し・・
それでもやや不安ながら組むと前よりリーダーさんが頼もしく思えたり
センセイの踊りはやっぱり好みだわとルンルンしたり
オトコマエのパートナー(女性)センセイときゃいきゃいはしゃいだり
仕事でもなく日常でもないちょっと懐かしいサークルならではの時間が
これはこれでなかなか得難いひとときなのではと思えたり・・


帰ってから体重計に乗ると
ここ数年の最小目盛を記録してました
痩せようと思ってもなかなか減らなかったけど
からだを動かそうとしたのがはじまりで
なかば純粋に楽しんでるとこうなんだから
ふふふ、思いがけない副産物だわ(笑)とこれまた嬉しくなるね
これからあとは体脂肪率に着目ですね
無理せずのんびりやっていこう


夜は小田和正さんの音楽番組「クリスマスの約束
明日の用意をしながらのながら観なんだけど
ときおりふうっと心をつかまれて思わずその場に座り込んで聴く


いろんな思いがけないこと
いろんな心揺さぶられること
そんなことがあると心が耕された土のように柔らかくなる
忘れかけていたものも新しく出会ったものも
ふかくふかくじわりと沁み込んでいく
ことしもいろいろあったなあ
楽しいことばかりではないけれど
それでも心に残っているのは宝物のような思い出
そうそう、年をとるとそういうところ上手くなるの(笑)
美しい言葉と
幸せな恋の歌
美味しいものと
上質なお酒を少しだけ
好きなひとと
出会う人の素敵な部分
大変な事柄はなんとかうまく納めてその最後の気持ち
さよならがあったとしても思い出は残ることも知った



いくつかの小さな野心と
ささやかな夢
きっとそれらが明日からを輝かせてくれる
昔の自分も愛おしいけれど
今の自分が一番好きで
明日の自分を楽しみにできる日々を
どうぞこれからも持てますように・・・


クリスマスらしくないクリスマスだったけど
なんだかちょっと最後はほっこり幸せで
すこしだけ涙がでそうな気持ちになった
なんて不思議(笑)



そして密かにいくつかの夢を胸に抱いた今日
この曲でいつか・・

 葉

この部屋には郵便は届かない
この部屋では電話も鳴らない
かろうじて時計は掛けてあるけれど
それは小さな時計で時間を区切られたくないから
大まかなスケジュールを立てるためにだけある


昼間にちかくの公園に出掛けた
立ち並ぶ銀杏の樹が色を変えつつあった
緑の残る金色に輝く葉はどこか透き通って見える
そしてしっとりと黄を深めて存在を重くしたのち
やがて軽い音を立てながら金の砂が舞うような吹雪を見せるのだ


はじめの日は公園から小高い丘まで
そしてまちをぐるり巡って歩いた
街路樹の名前を読みながら
ビルの間に見える雲を指さしながら
お気に入りの台湾料理の食堂へ寄って夕食を済ませ
コンビニで白ワインとチーズを買って帰った
おみやげは公園で拾った数枚の葉
植物図鑑のなかに挟んで栞にしてみた
パソコンで好きなドラマを一緒に観ていたけれど
途中からはドラマそっちのけでキスをして寝た


二日目は車を借りてドライブした
海沿いを走ってカフェで軽く食事をしてお茶を飲んだ
光が眩しくて雲が白くて空が青くて
晴れて良かったねって言い合って誰にともなく感謝した
こんな気分のいい日差しの中にいると祝福されてる気がする
それがなんとも嬉しくて言葉少なに微笑み合った


日が沈むころ部屋に帰り着いて
服を着替えてからレストランへ向かった
ずいぶん長いこと来てなかった店なのですこしだけ緊張したが
店のひとは変わらぬ笑顔で迎えてくれた
お互いに
なにも知らないけれどよく知っているものとして
その場だけの最高の友人のように理想的な関係で
最高の食事の時間を過ごせた



レストランから部屋まで歩いた
暗く人通りもまばらになって昼の顔とは違う顔に見えた
再会した日には早く帰りたかったその場所に
今日はなるべくゆっくりと時間をかけてたどり着きたい気分になっている
夜を遅くまで過ごして
あしたの来るのをできるだけ先に延ばそうとしている



きっと明日の私は不機嫌だ
もしくは意味のないことをぺらぺらとしゃべる女になっている
はじめのウキウキとキラキラと発していた言葉とは違い
共に過ごした夜にひとことふたこと囁いた湿った言葉とも違う
こころを載せるには重すぎるから
そんなこころは見せられないから
ただからからかさかさと音をたてる落ち葉のような言の葉に違いない



ここにいても出会いと別れを繰り返すのは変わらない
また逢うためにさよならを言うのだ
そしてさよならがいつも苦く淋しいのは
一緒にいたいと思うからにほかならないのだろう


本の間に挟んでいた乾いた葉を
部屋をでるときにエントランス横の郵便受けに放り込んだ
色は心の中に残す記憶だけでいい

Love letter

もういちどって言ったら?


暗闇の中に浮かぶ
温かな輪郭から小さな声が聴こえる
夢の続きを見るためには
どんな言葉を選んだらいいのか
選びきれずにとりとめのないことを話す


小さな種のような想いが漂う
無くしてしまいそうになる不安とともに
胸の奥の奥でその小さな粒を確かめる


日々の時の中に埋もれ
風を受け雨を受け
忘れることはないけれど
忘れたふりをして過ごして


ある日
芽を出した双葉がひらいて
ぽろりと手紙を落とした


ああ
そうか
言葉は要らなかったんだ
温もりの輪郭に腕を伸ばし
その言葉ごと抱きしめればよかったんだ



言葉にならないLove letterは
こころよりもからだが教えてくれる
こころがこたえられなかった言葉を
からだはちゃんと受けとめていて
細胞の隅に届いた手紙に
ゆっくりと返事を書いていたんだ
時がたって
自分のからだが書いた言葉を
いまようやく自分で読んでいる

 器

土踏まずから足の甲へ向かって
ちらちらと温かいものが動くのを感じて目覚めた
遮光カーテンの隙間から高くなった日差しが差し込んでいる
カーテンのすぐそばで半分うつぶせになりながらあなたが眠っている
眉間のしわが消えきっていないのはまだ疲れているのか
それとも新しい悩みが生まれているからなのか
でもそれを考えるのも引き受けるのも私の仕事ではないから
一瞥しただけでもう見なかったことにする


歯磨きをしてシャワー
化粧していない素顔を見られるのは覚悟しているし
なんの恥ずかしいこともないけれど
昨日の一部、とりわけ昨夜の顔の続きを残したままでいるのは
いまのわたしには許せないことだった
ふたりベッドの中でおなじように目覚めたときならそれもいい
余韻に浸りながらゆっくりその明るくなっていく景色を眺めればいい
酔っていくのも同じくらいなのが心地よいように
その昂ぶりから日常へともどってくる足並みもできればそろっているほうがいい
高く上った日差しの下ではもうなにもなかった顔をしているほうがいい



流しで戸棚から取り出した粉引の飯碗を水に浸す
乳白色よりもすこしだけ土の色をうつした白
両手で抱え持った林檎のようなすこしだけ口がすぼまったかたち
ここには気に入ったいくつかの器しかないから
これは飯碗ではあるけれど
野菜を盛ったりカフェオレを注いだりその時々で変わる
いくつもの表情を見たいからこそ
そのどれかの染みをつけないように念入りに準備する


毎日いろんなことが起こる
どんなに神経を使っても傷つけずにいることなどできないし
傷つかないでいることも難しい
純粋で潔癖だった自分もずっと昔にはいたかもしれないけれど
そのころに戻りたいとも思わない
傷はつくもの
心は揺れるもの
それが致命傷にならぬように備えるしかない
水に浮かべられたつちものの器のように
その内に水をたたえて見えない膜を持ち
おだやかに弾き返す力を備えておきたいと思うのだ



そしてこの場所は
その浸り潤す場所なのではないかと思っている

肩の力を抜いて

11月になって始めた水泳
いまのところ続いている
三分の二を過ぎたところで4回プールにはいっているというのは
わたしにとってはかなりいいペースだと思う


こんな頻度でプールに入るのは小学生のとき以来
おまけに、ひとに教えてもらいながら泳ぐなど
ほぼ人生初と言えるくらいのこと
以前平泳ぎをすこしだけ習ったことはあるけれど
全くできないものだったのでへえ〜と感心するところどまりだった
今回はまずは泳いでいたはずのクロールから入ってるので
なんとなくやってたことにそれほどの理屈と意味があるのかと
ある意味目からうろこの連続!楽しい!


超初級(いちおう初心者イルカ組)のクラスで腕をゆっくり動かしながら
ローリングなるものがあることを初めて意識し
3回目で息継ぎもすこしずつ習う
今日はちょっとだけ上のクラス(中級クジラ組)に出席
腕の動かし方、キックとの連動
手のひらの角度、手を入水するときの角度
説明されることのひとつひとつが理にかなっていて
なるほど〜!と納得するやら感心するやら
これは小学生ではなく大人になって習う醍醐味だわと嬉しいものの
さてやってみるとなるとできなくて自分で笑ってしまうレベル


「水泳は技術(テクニック)です
 テクニックは繰り返さないと身に付きません」


あら?
当たり前のことなんだけど
でもなんだかテクニックという言葉の意味を間違えてたような気がする
テクニックは小手先とは違うのよね
もしそれがひょい!と出来る人がいれば
それは小手先でやったのではなく
それができるだけの土台をもっているからこそのものなのだろうね

逆に技というと特別のひとの特別のものだけのような気がしていたけれど
それは積み上げたもののいちばん上のものを差すだけで
その積み上げられた最初からてっぺんにいたるまですべて技ではあるのだろうな





クラスが終わってすこしだけ復習という気分で泳いでいたら
隣のコースで泳いでた知らない年上の女性から話しかけられる
どうだった?って
とっても面白かったけど実行するのは難しいと答えたら
大丈夫大丈夫、きれいに泳いでるから上達するわよ
って笑って励ましてもらえた


クラブの受付の女性に月曜日の空いてる時間があるのだけど
このあたりのクラスは入ってもいいですか?
って数日前に聞いたとき
いくつかあるクラスがそれぞれどんな内容か調べてくれて
今受けてるクラスのセンセイにも聞いてもらって
撫子さんならどのクラスでも入って大丈夫ですよってセンセイ言ってましたよ
って、わざわざ電話くれたのにも感謝




仕事場に行っても家に帰っても
思い出してはそのタイミングをなんとか連動させようと試みてみる
宙を掻いてひと思案
畳の上で体幹の動きに瞑想
ああ、このときローリングの左右が入れ替わるのか!とか
ツービートのキックの打つタイミングがそれに関わるわけね!とか
隣り合ったパズルのピースがひとつふたつくらいは見つかった気分になる
さてそれがホントにそうなのかは
また木曜日にプールに入った時のお楽しみというところ



おぼろげながら感じているのは
手足はオールではなくヒレ
そういえば
生物が生まれてからにくらべれば
手足などずいぶんあとからできたものなんですよ
と、なにかできいたことがある
肩の力は抜いたままで
流線形の生き物のように泳げたら・・
そしてヒトならではのヒレを美しく動かしてね




テレビから聞こえてきたラグビーの解説
彼のステップ、鋭いけど鋭角だけどちょっと丸いんですよね
ああ、これは大さんの声だな
どの選手のことを言っているのかは聞き逃したけれど


それはきっとね
彼の体幹がしなやかなのだろうね
鍛え上げたうえでの柔らかな動きは
それが力をもって制御されるからこそ
コマ送りの写真が誰よりも多くて滑らかに繋がるのだろうと思う
いつかそんな泳ぎが泳げたら・・と憧れる

ひとは言葉で・・

知り合いの合唱団のコンサート
高校時代、卒業生でその合唱団の指揮者をされていた先輩
ときは流れて
わたしたちの二つ上の先輩がその合唱団を引き継がれていた


後姿からかすかに見える白い横顔と美しい指先
ソプラノのパートリーダーをなさっていたころ
私たちに向かって見せたそれらを思い出させる
春から夏の季節の中で毎日過ごした時間のこと


ステージは進み
最後に客演指揮者として創立時の指揮者
その卒業生だったかたがタクトを振る
とはいえ昔からそうだったように指揮棒はなく指先で
そしてその動きといえば
これ以上ないくらいに削ぎ落としたかすかなそして確かなもの
指先のほんのすこしのうごきでその場の空気を動かすような
そしてそれに応じて響く歌声


最後のその曲は「夜空ノムコウ
あれから、あのころ、それがまさにあのころを連れてきて
気がついたら泣いていた
校舎の工事で音楽室さえ使えない時期があり
オルガンを抱えて移動させて練習した日
想いつづけた日々
歌い続けた日々
思い出すことがらは違えども
そのころ同じ歌を歌った友人も隣でまた涙していた


小さい頃から今までに読んだ本
これまでの毎日に食べたもの
折に触れて歌った歌、諳んじた詩
そんなものでわたしたちはできているのだろう


日が暮れた街並みを歩きながら
いまでもあのころの合唱曲を歌いながら帰ることがあるよ
と、友人がつぶやく
ああ、そうだね
大好きで忘れられない曲、いっぱいあるもの
でもふと口をついて出たメロディーと歌詞が
あのころ嫌になるほど練習した曲だったりすることもあるな



楽しかったこともつらかったことも
好きだったことも実らなかった恋も
ぜんぶ今の私をつくってくれてるんだろう


「人は ことばで
 鳥のように飛び
 花のように咲く」


浮かび上がってきた一節
書き記したかった今日という日