撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

もういちど始める(おひさま)

幸せになろう
そのために帰ってきた
陽子と幸せになるために
そのためにけぇってきた


和成さんが帰ってきた
陽子の第一声は「腰が・・」でみんなに散々笑われたけれど
だれよりも先にただいまを聞いて一番にお帰りを言えて・・・
「帰ってきてくれてありがとうございます」
「こっちこそ・・待っててくれてありがとう」
うん、よかったよかった
観ているほうも、お父さん、お母さんと一緒にそう素直に思うよね
「やだ、おろしたくない」はちょっといちゃいちゃ?(笑)それでも泣けたけど・・
「丈夫に産んで育ててくれたからね、感謝してるよ」はもう出来すぎ
親としてこんな時にこんなこと言われたらたまらないよね


しかしながらみんなに笑われてふくれている陽子のほっぺを
ぷうとへこませたのは丸山のお母さん?
ああ・・春樹兄さん・・・
その想いがかぶって笑って泣いてたまらなくなって息ができないほどだった


うちは恵まれている・・感謝しないと・・
よかった・・ほんとうによかった・・
こみ上げる安堵と喜びに涙する母
そんな母をやさしく包み込む父



湯呑みにお茶が注がれる
新しい毎日に幸せを満たそうとするように
しかし無事に帰ったとはいえ、見えない傷は深く負っているようで・・・
それでも
苦しい夢を見て目覚めたそのときに愛しい人が隣にいることは
どれだけ幸せだろうと思う
涙を流したいときに素直に飛びこめる胸があることは
生きていくうえでとても心強いことに思える


もう一度始まる
みんなほかの人には分け合えない自分だけの痛みを持ちながら
それでもきっと顔をあげて明日へと向かう