撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ぬくもり(おひさま)

いよいよ陽子と和成の結婚式
育子の乱入と怖い顔(陽子には心配しなくていいよのちょっと笑顔を向けて)
で、質問と答え
「陽子を幸せにする自信がありますか?」
「陽子さんを幸せにする自信は・・あまりありませんが
 僕が・・陽子さんと一緒にいると幸せになれるのです。その自信ならあります」
育子、満面の笑み「気にいった!」
なんか頑固おやじがプロポーズしに来た青年に向かってする会話みたいだな(笑)


式に参列した方が頭ごなしに「何なんだ!」と怒ったり騒いだりすることもなく
その成り行きを見守って、ことがおさまると笑い声まで聞こえて・・
これって、和成がお見合いを断ろうと話しだしたときとか
陽子がお酒を飲んで涙ながらにしゃべり始めたときとか
そういうときにもあった、理性的な温かさを感じて嬉しい
この地方のひとびとの地域性もあるのかな?両家の親と若い二人への信頼のたまものなのかな?
そんな中、真知子がすかさず育子を引き取りに出てきたのがなんか良かったな


そんなこんなあった式のもうひとつの主役はお蕎麦
「息子の祝言でみんなに蕎麦をふるまうのがお父さんの夢だった」と
ひとくち味わったときのみんなの感嘆のためいき
う〜んまい!その温かいお蕎麦のぬくもりがきっと記憶の細胞にまでしみわたる
本当に感慨深げに食べているお客さんの様子
このご時勢に白無垢も珍しいことではあったけど
こんな美味しいものをゆっくり味わって食べることもまためったにないことだったんじゃないかな?
陽子と和成の結婚式を思い出すとき、みんなこのお蕎麦の味も思い出すのだろうな


そして初めてのひと夜だけの二人きりの夜
ああ・・その前に、陽子が父と兄を見送るのが何とも言えなかった
もうお嫁さんの顔をしていた陽子がそのときだけ少女に見えた



ふたりの会話
そして手をとり陽子を抱き寄せる和成
きっとふたりはこのぬくもりも心の奥底の大切な記憶の細胞に刻みつけるのだろう
だれにも見せない、だれにも譲れない、ただ自分だけのものとして
大切なお守りのように、そっとそっと、切ないほどひそかに持ち続けるのだろう
またもういちど、ふたりそのぬくもりを確かめあえる日まで・・・