撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

人生は旅、人生は出会いと別れ

関口知宏さんの「鉄道乗りつくしの旅」を観てた
ごく近くの駅まで映る
ひとびととのさりげない交流が描かれる


旅って観光とは違うんだ
旅って自分が見つけたものと出会うことなんだ


ほんの一言からはじまって
昔からの知り合いと別れるように手をふってくれる人々がいれば
ただそばを通り過ぎる人もいる
そして再会に涙を流さんばかりに喜んでくれるひとも・・・


このひとがこの鉄道の旅を始めたころは鼻持ちならない若者・・
のような印象だった
しかしながら長旅を耐久レースのように続けるなかで
どんどん顔つきが変わってきた
それが不思議でたまらなくてずっと観ていた記憶がある


いつのまにか今度は私のほうが彼に旅というものを教えてもらっている


旅は自分が歩いていくこと
そこにいるひとあるものと出会うこと
出会うものとは別れがあること
それでも心に残るものがあること
出会うことも簡単ではないけれど
再会することはもっと大変なこと
そして続けるということはそれが絶え間なく繰り返されているということ


別れがある出会いだからこそ
その出会いは一瞬の輝きを増す
私たちの人生そのものもそうなのだろう
愛しいものこそ別れたくないと思うから一層愛しいのだろう
離れたくないと思うから何度も何度も出会いを繰り返そうと
心はいつもそれを求めるのだろう


すべてのものとひとしく出会っているはずなのに
ひとは自然とほしいものと見逃すものを知らず知らずに振り分けながら
毎日を送っているのだろう
心が「旅」にある時にはその振り分け機能がリセットされて
なんだかすべてが愛おしいものに見えるような気がする