撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

巡り会う(芋たこなんきん)

 カンジと再会する町子。カンジは報道写真家になっていた。
いま、ゆりこがフォーク集会で直面している、ベトナム戦争
撮りに行ったこともあるという。そのカンジが言う。町子の
父に言われた言葉・・「真実を写すと書いて写真。芸術でも
報道でも、写真は真実を写すものだ」・・それは、大事なお守り
みたいな言葉だ・・と。何事も、自分の目で見て、確かめて
考え、伝えたい・・と。父が開いた写真教室で出会った写真と
いうもの、母の焼いたホットケーキの思い出・・。


 ゆりこは、フォーク集会に集まる仲間たちから、詩を書いて
みたらどうかと勧められる。母も、今の町子も書くことをする
人・・という巡り合わせ。気になる人からの応援の言葉。町子
からの、「書いてみたらいい」というひとこと・・。


 町子が書いた小説に出てくる、大阪の街・美味しいものの
結ぶ縁。のむらかんじ・・に気づいた矢木沢さん。報道写真家と
ベトナム戦争。フォーク集会と詩をつくること。すれ違う日々、
巡り会う出来事。流れていく時、繰り返す出会い。限りなく
ふりまかれた種が、必然で偶然で芽を吹くように、星の数ほどの
出来事から、自分だけの愛しい日々がつくられる。育まれた人、
出会った人と交わした大切な言葉や思い出を、大事なお守りの
ように心に持って・・・。