撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

甘くて苦いもの

 我が家で青春真っ盛りと言えば、高校生の長男。真面目な高校生
だったころの私にはもちろん似るはずもなく、今現在のお気楽で遊び人
の私に似ていると言えば似ているので内心文句がつけられない。


 先日はキャナルシティ〜天神あたりでお友達と楽しんできたらしい。
(友達に「お」をつけてるあたり察してください)何日か経ってさりげ
ない話題にでるあたりでいうには、
「カカオロマンスのトリュフチョコってめちゃおいしいねえ!」うん?
お友達と食べたの?・・・でしょうねえ。そりゃ美味しいやろ!


 高校生のくせに生意気!というべきか、さすが我が子味が分かる!と
いうべきか。まあ、高校時代〜大学時代あたりに、そういう評判のお菓
子なんかを友達と(「お」がついてません)食べ歩いたりしてたもん
だ・・と懐かしくはある。


 チョコレートショップの前を通っていいなあ・・と思ってた私の
その前で「1粒200円もするチョコなんて信じられん!」と
言い放ったお友達の言葉がなんだかとてもさみしかった記憶が不意に
よみがえった。別にそこに行く気はなくても、その道に行くな!と
言われてしまったら、どうして!とその手を振りほどいてしまいたく
なるような・・・。そんな予感を感じた寂しさだったんだろう。その
予感は見事に的中してしまったし・・・。


 甘くてちょっぴりほろ苦いもの・・チョコレートの思い出は青春の
想い出につながるのかもしれない。


 今だったら、それごときでほろ苦くなったりはしないのだけれど・・
もっと甘いものも、ほろ苦いどころか、しっかり苦いものも、きっと
しっかり味わえるだけの年月は伊達に過ごしてないと思うから・・。


「チョコレートだ!」
「いいなあ、高くないよな」
「そう?なら奢って!」
「すみません、贅沢品です」
「それではまたの機会に・・」
・・・と、どちらが買ってくれるかお互いに探り合う夫婦・・・。