撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

大切なこと

 物事にはリズムとかテンポとか大事だってよく言う。運転するとき
だって、もっとリズム良く!って指導教官に言われたこと思い出す。


 ともすれば、そういわれると何だかスピード上げて調子よく突っ走る
みたいなことを考えてしまうけれど、本当にそうなんだろうか?って
ふと考える。


 忙しい毎日を過ごしていると、自分がいっぱいの仕事をこなして
いることに自分で酔っていることがままある。どんどん前のめりに
なって次から次へと新しいことに手をつけて、どこか興奮状態になって
いる自分に気づく。それでも人と接しているときは意識してコントロー
ルしているからなんとかなるんだけれど、自分ひとりで仕事してたり、
気の置けないひとといるときにはなんだか転がるように動いている自分
に気づいて恥ずかしくなったりする。


 あなたと話していると心地よい・・と電話で言われたことがある。
緩やかなテンポで、正統な日本語を使っているのが、安心できるとか
なんとか、そんなことを言われて照れたけれど、とても嬉しかったこと
を思い出す。


 そうだな・・自分の基調となる音楽の主題部分のようなものは必要
なのかもしれない。様々に転調したり、テンポを変えたりしつつ、また
きちんともとどおりのテンポとメロディーに忘れずに帰ってこられる
こと。それは、スピードを出せば出すほどブレーキが必要なように、
優しさを支えるための強さが要るように・・・。


 世界を広げるためには、自分というものと向き合うこと、自分の
ごく近くにいてくれる大切なひと、大切なものを、大事にすることが
なにより大切なのだ・・・と、ふと考えた自分だけの時間だった。