撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

大切なひとがいるという自分の場所

本日、高校ラグビー新人戦の決勝戦と3位決定戦
またまた高速飛ばしてグローバルアリーナまで・・


まずは福岡高校対小倉高校の3位決定戦
福岡32:5小倉


この間と選手が変わったかと思うほどの福岡高校の動きの違い
パスが危なげなく繋がることによって
フォワードとバックス、双方のいいところが見えてきた
どこからでも走って抜いて攻めていこうとする気持ちのよさは
相手にとってはディフェンスの絞りづらさもあって効果的
けっこう長い大胆なパスなんかも試しちゃって
それがまた意外と(笑)決まっちゃっておお!って歓声が起こったりして
やっぱり伸びしろの大きさを感じさせてくれる高校生たち
大きな怪我なくこのまま伸びていってくれればいいなあ・・


第2試合、もとい、本日のメイン東福岡高校と筑紫高校による決勝戦



観戦場所をグラウンド傍からスタンド席に移して準備しているあいだに
もう試合は始まって、そう時間も経っていないうちに筑紫のトライ
それもほぼ中央!走りぬけたように鮮やかにトライ!
先制点は筑紫7点か!観客席からちょっとした期待に満ちたどよめき
(後ろに福岡高校のこどもたち・・という割とどちらよりでもない場所で観戦)
そのあとも両校健闘しているとはいえ、筑紫の意志に溢れたプレイが際立つ
東の独走を許さない
もう少しでトライという場所まで攻めてきた東に対しても
決してそのままラインを明け渡すことなどなく数回押し戻す
前半終わって19対5の筑紫リード
えっ?えっ?これってさ・・・となんとなく弾む心


ハーフタイムはちょっと休憩
高校の同級生男子数名が観戦していることに気づき入れてもらい
後ろにいらした昨年還暦を迎えた某監督にお祝いを伝え
しばしみんなでおしゃべりして・・


高校生は毎週違うプレイをするねえ・・
先週の彼らと今日の彼らはもう別ものやねえ・・
あっという間にすごく成長することあるから
ひと試合のあいだでもね・・
と、感慨深げに言われる監督
そのあとに
でもこれがまた一晩眠ったら忘れたりするっちゃん!
寝るな!って言うんやけどね(笑)
・・と笑わせてくださったりして・・・


後半、どんなふうにチームがこの試合を充実させるかと
東の反撃はあるのか?と、14点差というなんとも面白い試合の続きに期待


筑紫のスピードは衰えない
なにのスピードかといえば
すべて前でプレイするその出足の早さ
だからこそ、相手ボールになっても陣地はそう戻されないし
走らせると怖いプレイヤーたちも活躍の場を与えられない
相手の強みを徹底して消し
自分たちのペースで試合を運ぼうとするこの意志の強さ


東の面々と言えば、そのいつもとの勝手の違いに戸惑っているのが見て取れる
順目にパスを送ればいつもなら取れそうな場面で
先を急いでめったにしないようなキックパスを使ってみたり(で、相手に取られる)
相手得点後のキックが思うように当たらずノットテンメートルになってみたり
およそらしからぬ場面も・・
いや、
彼らも高校生なのだ・・と
当たり前のことを思い出したりした
2年前の東の試合だっていつも楽勝ばかりではなかった
しかしながらそのなかで耐えて立て直して、結果勝利を収めた試合もあった
そんな試合を経験することによってチームになっていったような場面もあった
個々のプレイとともにチームとしての力
そのどちらも揃ってこそ力強いプレイはできるのだろうな


試合前、筑紫高校はいつものように濃い関係そのもののように
密度の高い円陣を組んで半ば儀式のように声を出していた
昔と違うな・・と思ったのは
昔は監督の声も叫ぶように一言一言選手に向かって言われていたのが
今日聞こえてきたのは、穏かな普通のしゃべり方での言葉だったこと
それに集中する選手が「はい!」と何度も声を上げる
いつも同じように見えて、このチームも変わっていっているのだな
いつもそのときに一番ふさわしいことを探し続けながら進化していっているのだろうな
と、そんなことを思った



後半は筑紫はペナルティを2本手堅く決めて6点を追加し25点
東はロスタイムまで攻め続け合わせて2トライ1ゴール1ペナで15点追加の20点
東のトライ、ゴールキックが終わったところで試合終了
観客席はちょっとした歴史的瞬間に立ち会った気分で興奮してるひとやら
まだ少し信じられない顔で感情を出すことをためらっているひとやらいろいろ
なにはともあれ、見ごたえのある試合だった
来て良かったと思える試合だった


ラグビーというスポーツ、メンタルな部分がいかに大きいかということを
改めて考えさせられる二試合だった
筑紫の選手たちの最後まで気迫あふれるプレイに感心させられた
自分たちがなにをするべきか分かっている
すべての選手がそのことをわかっている
福高が90回の花園に出た時の福岡予選もやはりこんなプレイだったな・・と思う
誰に言われるのでもなく誰のためでもなく
自分で自分から、自分のチームの当然することとして確実なプレイを重ねていく
その揺るぎなさ、どこかから来る安心感


ああ・・ホームにいる安心感、家にいる安心感かな?とも思う
失敗を恐れていないからこそ
失敗をしない
失敗だと思うことなどなく次から次へとそのとき一番いいと思う
判断で決めたプレイを繋げて繋げて目指すことへと一心に進んでいく


いいチームなのだろうな
いい仲間たちなのだろう
そこに東に勝った、自分たちの力で扉をひとつ開いたという自信をつけて
その成功体験をまた仲間すべての胸に刻みつけることによって
新しいものを得ていく力を増やしていくのだろう


自分の場所があるというのは安心と力をもらえる
自分の場所というものもそれは大人になればなるほど自分で作っていくもの
そして
それは何より「大切なひとがいる場所」なのだということは
ラグビーでもそれ以外でも変わらないのだろうな・・と思う
そう
大好きなことがあること、それを共有するひとがいること
大切な仲間、大切なひとがいるということは
人生の中でどんなときでも幸せなことに違いない