撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

受け継ぐ(ちりとてちん)

 ずっとまえ、草若師匠が落語をしなくなったのわけをきくと
「しょうもないことや」と小草若が言っていたこと。あのとき
奥さんが亡くなったから出来なくなった・・のかと思った。小
草若はそんな女々しいことが芸人として許せないのかと思った。


 そののち、一門会をすっぽかしたという話が出てきて、おまけ
に女の所にいたとかいう説があって、小草若が意外と母親思い
なのに気づかされた。


 親子で芸の上で師弟関係・・というのはきついものがあるだろう
な・・とは思う。心の中でいろいろに葛藤する。草若師匠の心の
なかもまた、千々に乱れていたのだろうと思う。


 演目が愛宕山・・なんでこんな日にこれを・・という気持ちは
手に取るほど分かる。さすがの奥さんも一瞬当惑の表情を見せた
こと、そして健気にも師匠を明るく送り出したこと。おかみさん
というものは、奥さんだけでなく、お母さんだけでなく、その上
おかみさんという、重要な顔を持ったなんて大変な女なんだろう。


 仏壇屋のおばちゃん、いい味出してるなあ・・。おばちゃんと
呼ばれるなら、こんな素敵なおばちゃんになりたい。


 草々と小草若のやりとりはいつも楽しみ!底抜けにおかえり!
は傑作でした。草原にいさんの大胆にして繊細な心遣いも素敵。
和田家のおとうさん、徒然亭の四草・・などなど、いまどきの
痛い突っ込みではなく、軽く洒落た突っ込みをいれるひとたちが
ドラマをぴりりと味わい深いものにしてくれる。


 明日のちりとてちんが「底抜けに楽しみ」です(笑)。