撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

GOD SHIP(さくら)

 みどりさんが赤ちゃんを産んだ。そこに立ち会ったひとたち。god ship
というのは、赤ちゃんが産まれる時に立ち会ったひとたち、神様がそこに
立ち会うことを決めたひとたち・・という意味らしい。


 出産を前に、みどりが元ダンナに自分の気持ちを吐き出すようにぶつける。
あんたはやさしいんじゃなくて気が弱いだけだ、みんなひとのせいにして、
自分の強い意志というものがない、別れることだって自分は覚悟に覚悟を
して決めたのに、あんたはひとに押し切られたからだなんて言っている、
自分がしたことでさえ、あとで謝ればどうにかなると思っている、甘ちゃん
なんだ!・・と。


 びっくりして止めようとするさくらに対して、全部出しきんない!と
笑って見守る助産婦のトキさん。出産のときは、何でも出るもんなんやから
ためこんでるもんは、ぜ〜んぶ出してしまってやりなさい・・と。そう
すれば、いい波がくるよ・・と。


 出産はもちろん、特別な時にはやはり特別なことが起こるような気が
する。よくも悪くも、自分をさらけだしてしまうくらいのことをして
しまわないと乗り越えられないときもあるのだと思う。
 そしてまた、特別な時に一緒にいたひととは、特別な想いを共有すること
にもなるのだろう・・。


 赤ちゃんが産まれてホッしたころに、涙ぐんでいたさくら。そんなさくら
に、まるでおまえが産んだような顔をしているぞ、と声をかける桂木先生。
 なんだか仲間以上の繋がりを感じてしまったツーショットでした。


 また、いよいよ産み出すときのみどりさんと元ダンナさんをみていると、
生命を産み出す・・ということを軸に人間を見ると、圧倒的に強いのは
女なのかもしれない、男はその女に必要とされることによって存在している
のかも・・などという穿った考えをしそうだった。
 おんなの優しさはつよさであって、おとこのつよさは優しさであるべき
なのかも・・などと、とりとめのないことを考えてもみる・・・。