撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

素顔と化粧

 ずっと若い頃、お化粧なんかあんまり気にしてなかった。山笠のときに
泊めてもらったおうちの奥様から、「化粧しないの?」と言われ、半分
照れくさく「したりしなかったりですね・・」とごまかしたら、「どっちか
にしなきゃ!」と言われてちょっと軽いショックを受けたことがある。


 40越えて、お化粧の楽しみを初めて知ったような気がしてた。外出する
ときにその日の気分や洋服に合わせて鏡を覗くのは楽しい。気分が良いときは
お化粧ののりも、肌の艶も違うことに気づいた。誰かに会うのでも、誰に
見せるのでもなくても、自分は今日はこんな気持でいるんだ、こんな風な
一日を過ごしたいのだ、と自分と確認しあっていたような気もする。


 このところ、ちょっといい加減。これは、というときはもちろん気合いれて
するけれど、ちょっとそこまで・・のときは日焼け止めだけで出たりして・・
なんていい度胸なんだ・・と我ながら思うけれど・・。


 ふと思った。化粧をすることが大切なのではない。自分とどう向き合うかが
大切なんだ。もし、化粧をしたい日と、したくない日があるとしても、その
どちらもきちんと自分として顔を上げて歩いていくことが大切なんだ。
 素直になることは、自分の気持ちをきちんと伝えたり納得いくように考える
ことで、ただあけすけにペラペラとしゃべることでもないと思う。ましてや
自分の思い通りにならないからといって人にあたることでもないし・・・。


 化粧をするかしないかは、自分の考え次第。でも、それで引け目を感じて
しまうような場所にいったり、相手に気持ちよく思われないと思うのなら、
それはきちんと化粧すべきだと思う。人に対するときもそうなんだろうな。
 相手がこういうしゃべり方をするから・・とか、こんな風な考え方をする
人だから・・とかいうのは、相手のことであって、自分としては、そんな
相手の考え方を尊重しながらも、最後は、自分が自分に恥ずかしくないよう
な接し方をすべきなんだろう。


 どうやっても私はわたし。私が嫌なやつになって、いちばん苦しくて後悔
するのは、他ならぬ自分なんだからね・・・。意地っ張りだったり、我が儘
だったり、意固地だったり、時に意地悪だったりしても、嫌なやつや、
さもしいやつには決してなりたくないと思っている。どこがどうちがうのか、
他の人には分かんないかもしれないけれど・・ね。