撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

不安だったんだ(どんど晴れ)

 浩司が「もう、ひとりでは耐えきれない・・」と夏美に
自分が見たことを喋ってしまう。そして、自分の気持ちを
ぶちまける。やっぱりそうだったんだ・・ずっと不安だった
んだ・・と。


 夏美は驚きながらも浩司に言う。わたしは、もしそうだった
としても柾樹さんを信じている。だから、浩司さんもどうか
彩華さんを信じてあげて・・と。


 信じる・・ということは、自分がきちんとある、ということだ。
自分がまずあってから、だからこそ、相手のことをきちんと愛する
ことができる・・ということ。そういうことができてこそ、相手を
信じることもできるし、何があっても自分でいられるのではないか
と、思う。たとえば、相手が間違ったことをしたときに、好きか
嫌いかに関わらず、あなたのやっていることは間違っている!と
きちんと言えること。


 浩司が、あれほどいい奴でありながら、彩華のこととなると
なんだか可愛いだけじゃなくてどこかおかしくなってしまって
いたのは、この「不安」の気持ちのせいだったのかも知れない・・
などと考えてみる。もしかして、彩華ちゃんがまだ柾樹のことを
好きだったら・・という不安?


 「じゃあ、もしそうだったら浩司さん、あたしのこと好きじゃ
ないの?」


 なぁんて(笑)


 相手がどうであれ、自分が好きな気持ちは変わらない。その好き
という気持ちは、簡単に変わるわけではないから・・。そのことに
気づいて、自信を持ったら、このふたりいい関係になると思うんだ
けどね。


 変わるわけでない・・と言えば懲りないのが聡くん。人の気持ちには
とても繊細に気づく(あれっ?アキさん・・なんて)くせに、自分の
こととなるといまいち鈍いのが人間の面白いところだよね。
 対する佳奈ちゃんもいい味出してきています。人間、一人で悩む
時間と、人とぶつかって傷つく回数と、そして、理解しようと向き合う
心持ちと・・・そんなものをどれも大事にすることで成長していくの
だろうな・・。