撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

納まるところに納まる(どんど晴れ)

 柾樹が加賀美屋へやって来た。このたびのことは迷惑を掛けて・・
と挨拶をし大女将の部屋へと去っていった柾樹をあとに、環たちは
家族で話をする。柾樹の決心は・・と考える環に、いよいよ運が
向いてきたぞ!とはしゃぐ伸一。そんな伸一を複雑な表情で見つめる
環。自分が夏美にいったことを思いだしているのか、それとも
そんな風にしか考えられない伸一のことを思っているのか・・。


 「これでよかったんですよね・・」と夫に救いを求めるような
環。そんな環を受けとめるように「お前がこれまで加賀美屋のために
やってきたことを思えば・・納まるところに納まるから・・」と
言葉を掛ける夫。この人もまた独特だ。伸一と会話するときは伸一を
受け入れる。環と向き合うときは環の視線を共に見ようとする。妻が
女将・・という立場にあるという特別な家庭、その家庭ならではの
夫婦・父のありかたなのかもしれない。


 昨日からの元カノ・・この元カノって言い方、他人ごとだったら
分かりやすくて面白い言い方だなあとおもうけれど、当事者だったら
やな言い方だな。彼女って、その立場にいなくなったらもう、何にも
ないでしょうも!相手の男を中心に見てる・・っていうか、男の心の
中にまだ「彼女」としての存在があるっていうのが嫌!正しくは
「元カノ女」か?智也が一発で空気を読んで、嫌なの・・ちょっと
美人だと思って・・と認めつつしっかり分析してるのがおかしかった。
まあ、お姉さんの一番の味方だからね、彼は。


 女将修行をやめたのなら、あなたが柾樹さんといる意味はないわね・・
といわれショックを受ける夏美。ほらほら夏美ちゃん、柾樹さんを
愛するあまり大切なことを見失いそうになっているよ!柾樹は女将が
欲しいからあんたと結婚するんだっけ?こういう誤解しやすいすり替え
って、発言する人の価値観がそうだからそうなるのかな?それとも
美人で仕事出来て性格がいまいちのお姉さんの作戦?(そう勘ぐる私の
方が性格が悪いのか!笑)


 柾樹のこころはいつの間にかきちんと決まっているようだ。この男が
情けないようで意外と決めるところは決めるのは、こういう根っこの
ところをきちんとみつめる力があるからかもしれない。柾樹の本当の
心をはっきりと大女将に伝えれば、物事は間違った方向にはいかない
と思う。納まるところに納まる・・・時間はかかっても、みなが幸せを
願う限り、いつか微笑むことのできる関係になれると信じたい。