撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

振り込め詐欺?

 やってきました、我が家にも!たったいま、男の声で、「県警の交通課
ですが・・」と、始まる電話。???自転車無くしたりしてないしなあ?
車も家にあるしなあ?と聞いていると、「お宅の息子さんが接触事故に
遭われました」?????長男、私の横でサンドイッチ食べてるし、次男
小学校に行ってるし・・・。もしやこれは・・と長男を電話口に呼びだして
聞き続ける。


 自転車と自転車の接触で、向こうが被害者でうちが加害者だと
 名前を聞いたら言わないと・・でもなんで電話番号しってるん?
 こちらから連絡先や連絡先を聞いても言おうとしない
 どちらの息子ですか?ときいたらお住まいですか?ととぼけた返事
 実家がこちらと伺ったので・・って一体いくつの息子だ?
 小学生の息子ですか?と聞くと分からない・・ませたことを言う?
   なんじゃそりゃ?


 始めは息子とふたり笑いをこらえながら受け答えをしていたけれどこっち
がいっこうに焦らないと、なんだか子供を侮辱するような物言いをする。
こちらも話したくないんですが・・ってあんたホントに県警の人だったら
仕事だろうが!あまりに矛盾している話しぶりに頭に来た・・というか
嫌になって「子供は二人とも家におりますが!」と叫んだら、へらへらと
大きな声出さないで下さい、短気は損気ですよ・・といいつつ電話を切る
お前はなにものじゃああああ!!!!


 冷静な長男、二人っていったのまずかったっちゃない?自分やったら
もう少し引き延ばしてどんなのか聞いたのに・・だと。もうまったく・・。
「主人と変わります」と言って、この子と変われば良かったわ!
短気は損気・・・はい、それだけ肝に銘じましょう、何事も経験やけんね。


 息子に、あんたが家にいて良かったよ、一番心配やけんね、と告げ
必ず携帯、少なくともメールだけはすぐ連絡するように確認させた。今から
行動範囲が広がる彼と、それを見守る私にとっては、なかなか良い経験
だったかもしれない。


 折しも昨日、「山口六平太」53巻で、上司の名を騙る詐欺に今西課長が
見事な対応をした話を読んだばかり。
「人を騙して泣かせて、それで痛まない心ってどうなってんだろう?
 ねえ あんたっ。
 生まれつき悪かった訳じゃないだろうに。
 サギ師くん、あんた絶対幸せにはなれないよ。
 (うるせー バカヤローッ )
 そっちこそバカヤローだあ!!!」


 なかなかお話のように上手くはいきません。まだまだ修行が足りません。
ただ、普通の声を、へらへらと出して嘘がつける人間というのが、この
世の中にいることを知らされて、何だか薄ら寒くなってしまいました。
 嘘って、もっと重たいものじゃなかったか?落ち着いて聞いてたら
きっと矛盾に気づくほどの稚拙なだましでした。ただ、自分が悪いことを
しているという自覚がないところが、なんだかとてつもなく怖ろしかった。
こんな種類の人間に逆恨みでもされたら、いったいどんな訳の分からない
ことをされるのだろうか?と想像すると、それが一番恐い気持ちになり
ました。


 笑い飛ばそうとしたのに、何だかすこし嫌な気分。悪意で始まったものって
どうやっても悪意のエネルギーを持つのかしら?そんなエネルギーを跳ね返す
力が欲しい!そんな意識を飲み込んでしまう透明な心が欲しい。笑うのは
やっぱり傲慢だ。怒るのは情けない。そんなことを考えていると、なんだか
涙が出てきてしまう・・・。


 いかんいかん!もうないとは思うけれど、次の対策を練って、浮上しよう!


・話をとにかく聞く。
  ただただ、向こうの言い分を聞いてみる。どこまでいくのかこちらの
  ことはいっさい言わずにこの電話の主はどうしたいのか聞いてみる。

・事故の様子を聞いてひたすら事故に遭った人の心配をする
  我が子じゃなくても、我が子と間違えられた何かのご縁のあるひとと
  仮定して、もしそのけがをしたひとのことを思ったらどうすべきか
  考えて電話の応対をする。示談金より、現場に駆けつけてお詫びとお世話
  だよね、普通だったら・・。


 はあ〜っ・・・多分、その途中で電話切られるんでしょうけどね。ただ
焦るとか怒るとか切り捨てるとかじゃない対応をしてみたいと思うこの変わり
者の私。でも、実際には多分出来ないんです・・。そんなもんです・・。