撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

「言葉の魔力」思い出

 言葉のリズムの不思議な魅力・・を考えてたら思い出したこと


 それは、小学校2年生の頃、担任の先生は、若くて楽しくて、魅力的
だった。その先生が、みんなに「詩」をつくることを教えてくださった。
みんな、素直な言葉をならべ、ならべた端からそれは、かわいい詩になった。
先生はそれがある程度まとまるたびに、プリントに刷って、みんなに配って
くださった。


 ある日配られたプリントのなかの詩に、「ごめんね○○ちゃん」というのが
あり、男の子が同級生の女の子をあだなをつけてからかってしまうことを
その子に謝っている詩が載っていた。「あの○○○○、○○○○○」。
男の子たちは、当時、その言葉でその女の子をからかっていたようだ。
いじめとかじゃないし、女の子たちの方は、そんなこと一回も言って
いなかったと思う。男の子たちは、その決まり文句を囃子詞のように使うこと
そのものを楽しんでいたような気がする。
本人がどう思っていたかは今となってはわからないが・・。


 プリントの、その詩が、よっぽど気にいったのか帰り道までわたしは
その言葉を頭の中で繰り返していた。そして、いままで一回も言ったこと
もないその言葉をひとりの帰り道でつぶやいていたのだ。
楽しい気分で何度も。


 次の日の朝の会
「○○ちゃん(私)が、帰り道、○○ちゃん(詩に出てきた子)の悪口を
 何回も言ってました。」
 ・・・・え〜!!そんなつもりじゃなかったのに!
 おまけにそんなに聞こえるほどいってたの、わたし!!


 心に傷が残ってないとこみると、自分で誤解をといたか、先生が気持ちを
汲み取って助け船を出して下さったかしたのだと思うけど、私が言葉の魔力
を感じた、初めての体験でした。