撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

歳を取って見えてくるもの

もう何回目だろう
最初は母が大好きだったから観ておいでと薦めてもらって
珍しく上映があったときに夜だというのに
友達と一緒に友達のお母さんに送り迎えをしてもらって観に行った
たしか中学生のころだった
その映画館の特別上映で後になってみてみると
その映画館は普段は成人映画が主だというのにもびっくりした


はじめはその画の美しさとオードリーヘップバーンだけ観てた
次のいつかはどうしてこんなオジサンがいいのだろうと思った
そのうちにはお母さん、分かってる!と思い
フレディいいやつなのにかわいそう?とかも思い
いつかは大佐、かっこいいとかも感じて


ひとまわりして久しぶりに観たら
やっぱりこの映画の主役はイライザとヒギンズ教授なのだなと


そしてお互いにちゃんと好きになって恋してるくせに
おとことおんなってこんなに気づいたりあらわしたりが違うのね


そしてもうひとつ
たかが言葉されど言葉
イギリスでは日本以上に言葉と階級が絡み合って
その階級もこの時代はもっとシビアなものがあったんだろうな


手を取られて始まる恋心
一緒に過ごすという意味
二人の間の垣根をとびこえさせるという愛
それを受けて越えるという情熱
ひとりでも立ててそれでもふたりでいたいと思う気持ち
そしてようやく何気ない言葉がふたりだけの言葉になる


数年ぶりにふとケーブルテレビであっていたのを途中から観て
たまらなくまた観たくなって
昔録画してもらっていたものを引っ張り出して繰り返し観てる


ちなみに母の好きだった映画はこれともうひとつ「王様と私
どちらも観るたびにより深い意味に気づかされる



上方修正

去年のクリスマスプレゼントは新しいスイムウェア
数年前の自分にはそんなもの考えも及ばなかったこと
年末には受付の女性とその話ではしゃいでいたので
新年はじめてのレッスンではセンセイは見逃さずに
「おニューですね〜!」と声かけてくれた(もちろん可愛い女性のセンセイのほう)
水を弾くでしょう?って言われたけど
まだウエアで泳ぎ心地が変わるほどに繊細なところまでは分かってないので
いまのところ気分が上がるっていうだけですが(笑)


25メートル足つかずに泳げることがまぐれではないことを確かめ
年末に左腕が筋肉痛になっていたことを受けて
腕の無理のない動かし方の確認をして
まずはよしよしと始めた一回目


数日空けた二回目はセンセイお二人に寄る2レッスンの日
ひとつめはクロールのそのつづき
もうひとつはその日の種目次第なので
去年は見よう見まねのバタフライと
出来るかと思ったら水中スタートでくじけた背泳ぎ
今日はいったい何が来る?と怖れていたらクロールとのこと
それならよしよしと参加していたら
水中での逆立ちから同じく水中での前まわり一回転
(地上ではもうできそうにないです)
いやいや、25メートル以上まだ泳げませんから
泳ぐとしても水中ターンなんかしませんから!
とはいえ、やってたらなんとかできたのでわりと気分よくなって
それに続く腕だけでの50メートル3回もクリアしてしまいました
(もちろん50メートルごとにひといきつきながらですが)
最初の50メートルがぜえぜえ言ってたのに比べると
3回目はだいぶましだった
力を抜くところは抜くこと、無理せず早目に息継ぎすること
それだけでかなり楽になったかな
ローリング、ポイントでした
そしてもうひとつは流線形の大切さとその作り方
ん?ターンと流線形という基本
この間テレビで観た奇跡のレッスンと同じですね〜


400メートル泳げるようになったらもういくらでも大丈夫ですよ
って、センセイ言われてたけどそんなもの?
でもまあ
200メートル泳げるようになりたいっていう今年の目標を
少し早目にクリアしてそのあたりまで今年いっぱいにできるといいな
(そのあたりって、あくまでも400メートルです)



明日のレッスンはまた違うセンセイに習う予定
そしていつものかわいい先生にもうひとレッスン
夜は奇跡のレッスン再放送録画してみなくっちゃ
だからプールへはお昼から出掛けることにします!
これまで体力がなくて仕事する前にそんなこと無理!って敬遠してたけど
それじゃいつも後回しで体力だってつかなくて・・
やると決めたらやるしかないし
やってりゃなんとかできるようになるし
今年はそんな年にしようと思う


もういちど
もうすこし
欲張って
頑張って
楽しんで
もちろん苦しむこともあるかもしれないけど
それができるだけ幸せじゃない?
家も仕事もそして遊びも趣味も
やりたいことは我慢しない!
やるべきことは必ずやる!


ね、いいよね(笑)


奇跡のレッスン、水泳編、明日1月11日放映分です(再放送)
http://www4.nhk.or.jp/wonderlesson/x/2018-01-11/11/5877/2549181/

今年もいい年になりますように

新年あけましておめでとうございます


年末最後の夜にアップしようかと思ってたら
書いている途中でもう眠たくなってそのままになってた
元日・二日はひさしぶりに息子たちも家にいたり出たり入ったりで超大忙し
作っても作ってもなくなるお雑煮の不思議にあきれ果て
もっと毎日をきちんと過ごしますからもう盆と正月は要りません!
と、宣言したくなりそうなありさ
すこし手直し加筆してアップすることにしようと思う



年末30日の花園での高校ラグビー試合を
後藤翔太さんと福岡選手が解説しているのがとてつもなく面白かった
試合自体はかなりの差がついたものだったけれど
強いチームのいいプレイのどこが素晴らしいのか
直接のプレイをしていないときどんなことを考えて動いているのか
自分のチームの中での役割
走るときディフェンスの時のからだの重心の置き方
後藤さんが福岡選手に次々に質問をして
福岡選手がそれに的確にいいテンポで答えていくというやりとり
そうしながらも試合の中でいいプレイがあったときには
すかさずその選手とプレイを具体的に褒めるという素晴らしさ
もうこれからのラグビーの試合
ずっとこのふたりで観てみたいくらい楽しかった
話を聞きながらも試合にも引き込まれていき
最後はやっぱりこれが高校ラグビー!という感動ももらった
後藤翔太さんが福岡選手に繰り出す質問の数々が
福岡選手やパナソニックというチームに興味津々というところ
それは自分の指導者としての興味と向上心でもあるだろうし
この試合をみている高校生やラグビーを愛するひとたちへの
プレゼントとも呼べるメッセージでもあったと思う
元日の試合でも後藤翔太さんの解説はとても好きだった
ともすれば点差が開くとラグビーや未来を外れて
必要以上にドラマチックやセンチメンタルに傾きがちな雰囲気を
今現在のいいプレイや問題点に注目することにより
いかにいま大切な試合をしているのか
素晴らしい時間をすごしているのか
観る人にもあとで解説を聞く選手たちにも伝えていたように思う
どちらの試合もアナウンスの方もどんどん刺激されて
放映そのものがラグビーを楽しむことに関して
とてもレベルアップして行ったような気がして
こういうことは伝わって変えていく力になるのだと感じられた



年末は滑り込みでスイミングのまずはじめの目標
息継ぎをして25メートル泳ぐということを達成できた
前から受付の方にすすめられていた個人レッスンを受けてのこと
まだそんなレベルじゃないからもう少ししてから・・と言っていたのだが
クラスの前に時間があったのとどうしてもクリアしたかったから
個人レッスンのなにがいいかというと自分のいまを見てもらってそれを伝えてもらえること
いいお手本というのは今はいろんなところで観ることができるけれど
自分がどんな動きをしているのがわからないと
どう修正していけばいいのかどう気をつければいいのかわからない
基本は何事もいまの自分自身を知るということだなあと実感
ダンスはまだ鏡である程度分かるけど水泳は全然分からないからね(笑)
30分の個人レッスンの終了間際に25メートル達成!
自分では感動的だったのだけれど
レッスンを受けたセンセイからすればそれは通過点に過ぎず
目指すべきもっと美しいフォームとそれに向けた練習を教えてもらって終了だった
あ〜・・あんなに可愛いオンナノコのセンセイなのに
アスリートはやっぱり甘くないのだった(笑)
次は200メートル普通に泳げるようになるのを目指します!


でもまあ・・・


自分をみてくれるひとがいるって有り難い
目標を持てるって有り難い
それに直接的間接的に導いてくれるひとがいるのも有り難い
そしてそれは仕事にとっても刺激になる有り難い教えでもあるし・・


そして
ほんの少しでも
その有り難い幸せを
自分がもらうだけでなく
何らかの形で循環させることができるよう
目指す方向へ動こう
目指すものへと働きかけよう
目指すありかたへ近付けるように言葉を行動を選んでいこう


すべての出会いはしあわせへと繋がりますように
今年もいい年になりますように・・・

 思いがけないこと

今年もあと少し
仕事もあと一日を残すのみ
普通に過ごせる週末もここまでだなって思った土曜日
23日はひさしぶりに夫と休みが合ったので珍しく外飲み
クリスマスが誕生日の彼にプレゼントは店のセレクトと奢ってもらった


24日は明日26日の最後の仕事の準備
今日をゆっくり過ごしたかったから


今日何があったかと言いますと
フィットネスクラブのスイミングのクラスと
ダンススタジオのサークル・・なのでした


可愛い女性のインストラクターさんでひとクラス
興味深い説明と口の悪いつぶやきのおっちゃん先生でひとクラス
二時間もプールに浸かっていてしまった
すこし進んでは悩んで逡巡
とりあえずの目標の息継ぎと25メートルは
年内に達成できるかどうか微妙なところ
それでも水の中に浮かぶ心地よさと
からだをゆっくり動かしていつまでも続けていたいという気持ち
そんな今まで思わなかった自分に出会えたことはとても嬉しい


ダンスのサークルも仕事でしばらく行けなかったから
やや忘れかけていたルーティンを思い出し思い出し・・
それでもやや不安ながら組むと前よりリーダーさんが頼もしく思えたり
センセイの踊りはやっぱり好みだわとルンルンしたり
オトコマエのパートナー(女性)センセイときゃいきゃいはしゃいだり
仕事でもなく日常でもないちょっと懐かしいサークルならではの時間が
これはこれでなかなか得難いひとときなのではと思えたり・・


帰ってから体重計に乗ると
ここ数年の最小目盛を記録してました
痩せようと思ってもなかなか減らなかったけど
からだを動かそうとしたのがはじまりで
なかば純粋に楽しんでるとこうなんだから
ふふふ、思いがけない副産物だわ(笑)とこれまた嬉しくなるね
これからあとは体脂肪率に着目ですね
無理せずのんびりやっていこう


夜は小田和正さんの音楽番組「クリスマスの約束
明日の用意をしながらのながら観なんだけど
ときおりふうっと心をつかまれて思わずその場に座り込んで聴く


いろんな思いがけないこと
いろんな心揺さぶられること
そんなことがあると心が耕された土のように柔らかくなる
忘れかけていたものも新しく出会ったものも
ふかくふかくじわりと沁み込んでいく
ことしもいろいろあったなあ
楽しいことばかりではないけれど
それでも心に残っているのは宝物のような思い出
そうそう、年をとるとそういうところ上手くなるの(笑)
美しい言葉と
幸せな恋の歌
美味しいものと
上質なお酒を少しだけ
好きなひとと
出会う人の素敵な部分
大変な事柄はなんとかうまく納めてその最後の気持ち
さよならがあったとしても思い出は残ることも知った



いくつかの小さな野心と
ささやかな夢
きっとそれらが明日からを輝かせてくれる
昔の自分も愛おしいけれど
今の自分が一番好きで
明日の自分を楽しみにできる日々を
どうぞこれからも持てますように・・・


クリスマスらしくないクリスマスだったけど
なんだかちょっと最後はほっこり幸せで
すこしだけ涙がでそうな気持ちになった
なんて不思議(笑)



そして密かにいくつかの夢を胸に抱いた今日
この曲でいつか・・

 葉

この部屋には郵便は届かない
この部屋では電話も鳴らない
かろうじて時計は掛けてあるけれど
それは小さな時計で時間を区切られたくないから
大まかなスケジュールを立てるためにだけある


昼間にちかくの公園に出掛けた
立ち並ぶ銀杏の樹が色を変えつつあった
緑の残る金色に輝く葉はどこか透き通って見える
そしてしっとりと黄を深めて存在を重くしたのち
やがて軽い音を立てながら金の砂が舞うような吹雪を見せるのだ


はじめの日は公園から小高い丘まで
そしてまちをぐるり巡って歩いた
街路樹の名前を読みながら
ビルの間に見える雲を指さしながら
お気に入りの台湾料理の食堂へ寄って夕食を済ませ
コンビニで白ワインとチーズを買って帰った
おみやげは公園で拾った数枚の葉
植物図鑑のなかに挟んで栞にしてみた
パソコンで好きなドラマを一緒に観ていたけれど
途中からはドラマそっちのけでキスをして寝た


二日目は車を借りてドライブした
海沿いを走ってカフェで軽く食事をしてお茶を飲んだ
光が眩しくて雲が白くて空が青くて
晴れて良かったねって言い合って誰にともなく感謝した
こんな気分のいい日差しの中にいると祝福されてる気がする
それがなんとも嬉しくて言葉少なに微笑み合った


日が沈むころ部屋に帰り着いて
服を着替えてからレストランへ向かった
ずいぶん長いこと来てなかった店なのですこしだけ緊張したが
店のひとは変わらぬ笑顔で迎えてくれた
お互いに
なにも知らないけれどよく知っているものとして
その場だけの最高の友人のように理想的な関係で
最高の食事の時間を過ごせた



レストランから部屋まで歩いた
暗く人通りもまばらになって昼の顔とは違う顔に見えた
再会した日には早く帰りたかったその場所に
今日はなるべくゆっくりと時間をかけてたどり着きたい気分になっている
夜を遅くまで過ごして
あしたの来るのをできるだけ先に延ばそうとしている



きっと明日の私は不機嫌だ
もしくは意味のないことをぺらぺらとしゃべる女になっている
はじめのウキウキとキラキラと発していた言葉とは違い
共に過ごした夜にひとことふたこと囁いた湿った言葉とも違う
こころを載せるには重すぎるから
そんなこころは見せられないから
ただからからかさかさと音をたてる落ち葉のような言の葉に違いない



ここにいても出会いと別れを繰り返すのは変わらない
また逢うためにさよならを言うのだ
そしてさよならがいつも苦く淋しいのは
一緒にいたいと思うからにほかならないのだろう


本の間に挟んでいた乾いた葉を
部屋をでるときにエントランス横の郵便受けに放り込んだ
色は心の中に残す記憶だけでいい

Love letter

もういちどって言ったら?


暗闇の中に浮かぶ
温かな輪郭から小さな声が聴こえる
夢の続きを見るためには
どんな言葉を選んだらいいのか
選びきれずにとりとめのないことを話す


小さな種のような想いが漂う
無くしてしまいそうになる不安とともに
胸の奥の奥でその小さな粒を確かめる


日々の時の中に埋もれ
風を受け雨を受け
忘れることはないけれど
忘れたふりをして過ごして


ある日
芽を出した双葉がひらいて
ぽろりと手紙を落とした


ああ
そうか
言葉は要らなかったんだ
温もりの輪郭に腕を伸ばし
その言葉ごと抱きしめればよかったんだ



言葉にならないLove letterは
こころよりもからだが教えてくれる
こころがこたえられなかった言葉を
からだはちゃんと受けとめていて
細胞の隅に届いた手紙に
ゆっくりと返事を書いていたんだ
時がたって
自分のからだが書いた言葉を
いまようやく自分で読んでいる

 器

土踏まずから足の甲へ向かって
ちらちらと温かいものが動くのを感じて目覚めた
遮光カーテンの隙間から高くなった日差しが差し込んでいる
カーテンのすぐそばで半分うつぶせになりながらあなたが眠っている
眉間のしわが消えきっていないのはまだ疲れているのか
それとも新しい悩みが生まれているからなのか
でもそれを考えるのも引き受けるのも私の仕事ではないから
一瞥しただけでもう見なかったことにする


歯磨きをしてシャワー
化粧していない素顔を見られるのは覚悟しているし
なんの恥ずかしいこともないけれど
昨日の一部、とりわけ昨夜の顔の続きを残したままでいるのは
いまのわたしには許せないことだった
ふたりベッドの中でおなじように目覚めたときならそれもいい
余韻に浸りながらゆっくりその明るくなっていく景色を眺めればいい
酔っていくのも同じくらいなのが心地よいように
その昂ぶりから日常へともどってくる足並みもできればそろっているほうがいい
高く上った日差しの下ではもうなにもなかった顔をしているほうがいい



流しで戸棚から取り出した粉引の飯碗を水に浸す
乳白色よりもすこしだけ土の色をうつした白
両手で抱え持った林檎のようなすこしだけ口がすぼまったかたち
ここには気に入ったいくつかの器しかないから
これは飯碗ではあるけれど
野菜を盛ったりカフェオレを注いだりその時々で変わる
いくつもの表情を見たいからこそ
そのどれかの染みをつけないように念入りに準備する


毎日いろんなことが起こる
どんなに神経を使っても傷つけずにいることなどできないし
傷つかないでいることも難しい
純粋で潔癖だった自分もずっと昔にはいたかもしれないけれど
そのころに戻りたいとも思わない
傷はつくもの
心は揺れるもの
それが致命傷にならぬように備えるしかない
水に浮かべられたつちものの器のように
その内に水をたたえて見えない膜を持ち
おだやかに弾き返す力を備えておきたいと思うのだ



そしてこの場所は
その浸り潤す場所なのではないかと思っている