撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

60分間

久しぶりに高校ラグビーを観に行く
二会場で4試合ずつが行われている日
近い方の会場の後半の二試合を観戦

といいつつ雨が強く降り始めてしばし雨宿り
これまた久しぶりに会うクラブチームのコーチや
母校ラグビー部のOBたちと挨拶やら情報交換やら


さてさてお目当ての第四試合が始まる頃には幾分小降りに
なんとも複雑な気分なような
もしくは一粒で二度おいしいような
わが母校と息子の母校という組み合わせ


Cシードの高校が先週の試合でBシードの高校に逆転勝ちをはたして
本日Aシードの高校に立ち向かうというところ
どうなるかなあ・・


試合立ち上がりは挑戦者気合入るもやや空回り気味
受けて立つ方が貫録を見せているかというと
そこまででもなく小さなミスはあるにはある
それでもいつのまにか点数は決めるチームへと入り込み
前半終わって54対0
う〜ん・・いつの間にそんな差になったのかなあ
鮮やかに点を奪ったというほどの印象はないのだけれど
まあボールを持ってこれはというところはしっかり決めていたし
ディフェンスも穴をあけることなく守りきれてたし
でもでも
もっと自分たちと同じように相手は緊張し
むしろプレッシャーさえ受けているのだということを計算にいれ
前半の前半こそもっとしかければあるいはいくつかのチャンスは作れなかったか?



そう思ったのは後半のはいりがけの挑戦者
すごく気合が入っているように見えたから
明らかに彼らを取り巻く気の輝きが違って見えたようだった
その証拠に?後半の前半時間帯ではほとんどトライをとられていなかった
後半全部の時間たちで24点
まあ結果だけ見てみれば83対0の完封ではあるのだけれど・・



レフェリーはまだまだ珍しいともいえる女性レフェリー
内容は語るほどののレベルを私が持っていないので言えないのだが
その笛の音がとても綺麗だった
プレイを中断するときのタイミングの良さと笛の音の分かりやすさ
そして何より一番印象に残ったのは
ノーサイドの笛がとても丁寧だったこと


60分間のおわりの区切りをきちんと知らせる
それだけではなく
試合をした選手たちにその60分間を感謝し
その「とき」の存在を知らしめているように聴こえた



負けたチームの数人が雨とも汗ともつかないものと一緒に
すこしだけ涙も拭っているように見えた
数日経てば何もなかったようにまた普通の日々に戻り
この試合のことはことさらに話さなくなったりするのだろうけれど
この60分間は確かに存在している
きっとどこかで彼らの大切なものをつくる欠片になっていくのだろうと思う
願うような気持ちでそう思う・・・