撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

素晴らしい人生だ(おひさま)

育子の消息がわかった
そしてその育子の場面


育子を思うと居ても立ってもいられない陽子と真知子
あえて東京に行くというふたり


育子とその初恋の相手・・というふたりの会話
「戦争になんて行きたくなかったんです
 ひとを殺すのもひとに殺されるのも嫌だ」
医学生だから自分のからだのことだって分かる
もうどうしようもないことだってわかる
でも
行きたくない戦争で殺されるくらいなら
一目惚れした女性の命を救うために命を捧げるほうがどれだけ嬉しいことか
儚く哀しく一瞬の出来事であっても
「素晴らしい人生だ」・・・・と


この時代だから・・と言えば言えるかもしれないけれど
一瞬になにが起こるか
自分の生き場所死に場所を自分でどう考えるか
それはいつの時代にも見えにくくてもどこかに潜んでいる永遠の命題かもしれない
この時代だからこそ
考える人は深く考えたことだろうし、
どんなひとでも否応なく目の前に突き付けられたのではないかと思う


それにしても
育子とそして医学生の・・・
もうすぐ満開に咲き誇ろうとする美しい花が無残にも切り落とされるような悲劇


「あたしをひとりにしないで」
徳子さんの陽子への叫び
そう
だれにとってもそのひとはだれにも変われないそのひとで
そのひとと向き合うときにはひとりとひとりなのだとふと思った
徳子さんにとって夫の存在も、息子の存在も、そして陽子の存在もそうなのだ
だからこそ
家族がいても家族に泣かれても
陽子も真知子も育子を訪ね行くのだ
その気持ちがわかるからこそ育子とともに
この3人の再会に涙が溢れるのだ



「やっぱりガメてたわね」
「こういうときのためによ」
いいね、このおばちゃんたち(笑)