撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

楽しいだろうな(おひさま)

安曇野にある須藤医院のせんせいですから


軍医として戦場へと向かう春樹兄さん
お父さんが話そうとする言葉を気持ちは分かっているから・・と止める春樹
代わりに茂樹と話した話をふたりでする
いつか安曇野に須藤医院を開き、家族みんな近くで暮らして・・
「楽しいだろうな」と語り合う父と息子
次に会える日がいつかはだれにも分からないこの日・・・


陽子のもとへ行き一晩を丸庵で過ごし旅立った兄
最後に・・と真知子への手紙を託す
最後なんて言わないで・・と言いつつその覚悟を受けとめる陽子


自分の明日の命も分からない日々
大切なひとへ想いを告げることすら難しい
まして婚約者のいる女性へなど無理なことは分かっているけれど
それでもせめて想いを伝えることが出来ないものかと
そのことでもうすでに切なさで溢れてる
安曇野の家を前に、一瞬思い浮かべた自分を見つめてくれる大切なひとのこと
未来を思い描く自由すらなかったのかと
そのことが哀しい


口にも出せないこと
つよく望むことすら憚られること
それに比べれば明日を自由に夢見ることを許されるわたしたちはなんて恵まれているのだろう!


ひとの想いはどこへいくのだろう
優しい想い出
繰り返し見る夢
望みあった未来
伸ばしたかった手
ふと触れ合ったぬくもり
笑顔の記憶
どうか想いがやさしくあたたかなかたちをつくりますように
楽しいだろうな・・と淡く願った想いがどこかしあわせにつながりますように・・・