撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

差し出す手とぬくもり(おひさま)

真知子の婚約者が亡くなった
青ざめた顔をして陽子のいる丸庵を訪ねる真知子


亡くなったそのことのショック・・
そしてそれ以上にそのことに涙がでないこと
自分の胸の奥深くに潜む、自分でもどうしようもない心の動き
「わたしは悪魔だわ
 死んだ方が良かったのはわたしのほうだわ」
そう嘆く真知子に
そんなことはない、絶対ない
わたしがついているから、わたしたちが真知子にはいるから
どんなことがあってもあなたを守るから・・と抱きしめる陽子


どんな時代にも愛があって幸せがあって・・・
しかしながらどんな時代でも
心の底から自分の本当の望む幸せを手に入れるということは
それなりにしがらみがあり、努力が要り、なにより自分と向き合う覚悟が必要で・・
それもまた自然と手に入ることもあれば
とてつもない出来事を経るか
または何かを失って初めて気づくこともあるのだろう


落ち込んでいる真知子に何度も差し出される陽子の手が温かかった
最初の階段の場面で松本でのシーンを思い出して涙
あのときドキドキしながら差し出された手を握った陽子が
今日は友を救うために手を差し出している
下を向いて心までうつむいているときに
目の前に自分に向けた手が差しだされるということはどんなに心強いことか!
少なくとも・・・
その握った手、繋いだ手のぬくもりは本当のものだ
自分がいま持っているひとつの幸せがそこにぬくもりをもって微笑んでくれているのだ


真知子父と陽子父の部分は父の会話から男の会話へ
男の会話から親の会話へ
その移り変わりがぞっとするほどだった
男が国を動かすときにはこれほどの揺れ幅があるのだ・・と
女は
その後ろで男が命を忘れないように
命が命であることを忘れないように手を繋ぎぬくもりを伝え続けなければならないのではないか
(わたしの考える男と女であって、必ずしも男と女ではないかもしれないけど)


丸庵の父母が真知子を思って作ってくれたお菓子
はい!お口あ〜ん!って、なんて懐かしい
食べさせてもらう幸せと食べさせる幸せを一緒に載せた幸せなお菓子だね
もっとも現代の陽子さんのやつはちょっと大きくないかい?
もしかして房子ちゃんに対する、楽しい意地悪してない?(笑)