撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

きままなひとり旅

人生は旅のようだというのはよくある話。しかし小草若にとって
「きままな」旅は初めてなのかもしれない。本当にきままなのかどうか
は別として・・。


 人は守らなければいけないものを持ってしまうと臆病になる。そして
臆病ゆえにかえって残酷なことをしてしまったりする。自分が守るもの
以外のものを切り捨てるということ・・。


 昨日から草々の物言いが気になる。決して悪いことを言っているわけ
ではないが、決め付けることは時に何も見えていない愚かなことに
見えたりひとを傷つけたりするものだと思う。悩んでいるのは自分だけ
ではない。考えているのは自分だけではない。自分と違うやり方で同じ
ように大切に考えているひとはいっぱいいるのだ。ただ、立場とやり方
が違うだけで・・。

 
四草の愛し方は草原とも草々ともまた違う。誰もどれが本当だとか
誰が一番だとかは言えないけれど、「落語しかない」のはかえって
四草のほうではないか?そして、否応なく「落語そのもの」であった
草若の息子が小草若・・。好きだとか大切だとか言えないほどに近く
密着した存在なのではないかと思う。

 
草々が「落語」というものを自分で選んだのに対して、小草若は
生まれたときから背負わされていた。草々は落語を降ろせばただの
何も持たない人になるけれど、小草若にとっては、落語がなくなると
いうのは自分の一部がなくなるほどではないのだろうか。だからこそ
こんなに苦しんでいるのではないかと思う。落語を愛していないわけ
ではなく・・・。

 
四草がクールを装っていたのが今になってわかる。やはり彼は
本当に誰かを好きになったら誰よりも濃い愛情とその裏返しの憎しみ
まで背負って心中するほどに熱い心をもっているのではないかと
感じてしまう。かれがただひとつのことを思いつめている限りは・・。
自分と相手以外に守るべきものが生まれない限りは・・・。

 
レトロ宝くじが当たったのは奈津子さんの抱擁のせいかな?なんて。
でも、何にも縛られない小次郎さんは誰にでも優しくて誰も傷つけな
くて・・そのためにはやはり・・手に入れたいものもあきらめるのか
な・・でもあきらめてほしくないな・・なんて、明日が気になります。