撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

研いでも研いでも(ちりとてちん)

 不安なときは役にたたんももんでもぎょうさんおったほうが
気持ちが楽になるやろ・・と言われながら糸子さんに呼ばれて
起きてきた和田家の面々・・ほんとなんや落ち着くわぁ(笑)


 「あの時とおんなじだ」は、正典のとき・・というところ
まではそれで良かったのね。奈津子さんの唐突な質問に
「答えるんけ!」といわれながら語ってくれる秀臣さん。
 ここでも人間模様は複雑に絡み合い、本人の意思とは関係
ないところでも影響を与え合う。気づかなかった想いはここにも
ある・・。正太郎がうれしそうな顔で「正典!」と秀臣の後ろ姿
に声をかけた場面はたまらなかった。あの、ときに憎しみすら
感じさせる秀臣の冷たい言葉は、淋しさと行き場のなかった
愛情の裏返しだったんだ・・・。


 秀臣が必死に箸を研いでいる音が切なかった。何かを見つけ
たくて、苦しみながら研いでいるそのことすら、生きていく
長い道のりのなかではまだ塗り重ねていく大切な時間なのかも
しれない。


 秀臣さんの苦しそうな顔を見ながら、ふと四草のことを思い
だした。草若の血をひく小草若、おかみさんとの思い出(スーツ)
を身に纏う草々・・。そんなふたりとどこか違う自分、一線を
ひいた向こう側にいる二人を見つめる目・・そんな風に感じられて
しまったのかもしれない。


 それにしても秀臣さんの奥さん、しずかさん。ここに来て何だか
すごい!秀臣さんのふるさとはしずかさんその人なのかもしれないな。