撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

自分の殻を脱ぎ捨てて(ちりとてちん)

 ひとは大人になるためには何度か苦しい目に遭わなければ
いけないのかもしれない。自分の殻を破ること、自分の殻を
脱ぎ捨てること・・。


 清海がお母さん、お父さんに、なんとも優しいのが切なか
った。娘のお見合いのことを可哀想という母、それが立ち直る
道になると思っていると話す父。親も子も相手を思うからこそ
時に切なくなる。やぶれかけた殻を大事に大事に柔らかい真綿で
くるむようなことが時に起こってしまう。


 ええ子でなんかいる必要ないのに・・そこで笑ってくれて
いるだけでいいのに・・。


 順ちゃんと話す喜代美。いったい自分はどれだけA子を傷つけて
しまってきたのか・・と。気づかせた順ちゃん、それだけでなく
続ける・・おたがいさまや、ひとと関わって生きていく限り
絶対そういうことはある・・と。なんて心に染み込むのだろう。
 ただ懸命に生きていくしかないけれど、自分の想いは自分で
抱えていくしかないけれど、そうやって生きていくのは決して
自分だけではないのだ。そう気づくだけでどんなに変わることか!


 巡り巡ってひとは関わり合っていく。コンプレックスから
喜代美が頑張れたように・・。たまらなく傷つけられた気持ち
で言い放った言葉に秀臣が気づくように・・。自分で考えている
気づいている以上に、人と人は関わり合い、影響を与え合っていく。


 嘘と算段の腕比べも面白い・・いやいや始めから器が違います
けどね。さいごに草原は何を見たのか。四草、ユウスケにちゃっ
かりざるうどん奢らせて、ついでに嘘つきに失敗させてちょっぴり
お灸を据える・・でも本当の算段の真意はそんな小さいレベルでは
終わってないよね。なんせ、草若師匠から算段の・・お許しが
出てる人ですから(笑)。草々もまた大きくなるためには古い殻
を脱ぎ捨てる必要があるってことだろうね。恐竜の卵の殻・・
じゃなくて、おかみさんのスーツはその象徴だと思う。すでに
ずいぶん前から小さくなって手足はみ出しちゃってるし!(笑)。


 秀臣さんの「あの時と同じだ・・」っていうのは正典がつくった
ときじゃなくて、いまは鯖を焼いているあの息子さんの時の
ことだったのかもしれませんね。そりゃ、一言をどう解釈するかって
自分の想像するようにしか想像できないものなんだな・・って
つくづく考えさせられましたです。ね、小次郎おじちゃん!