撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ほんまにええんか?(ちりとてちん)

 算段の四草、ざるうどんとアイスキャンディ、ゲット。
落語バカの草々にいさんのことや、おまえが「ちりとてちん
を頑張ったら、絶対おまえのこと見直すって。言ってることは
もっともで、どっちに転んでもちっとも悪いことはなくて、
加えていえば女ごころもわかっててさすが四草よね・・と
感心した喜代美との縁側の場面だけれど、そのまえに草原と
ざるうどんまで賭けてたとは知りませんでした。さすが四草
ふたつ以上のことを一度に得ようとするあたり算段・・やね。
 今回のことといい、前回の九官鳥の件といい、やることが
しっかりしてるよね。しかも場を読む力、ひとのこころを考え
る力もかなりのもの。こんな男がほんとうにだれかを好きに
なったらどんなことになるのだろう・・。そうなると、先回り
してしまって苦しくなる自分も分かるから、こんなにクールな
ふりしてるのかなあ・・なんて思ったりして・・(笑)。


 というわけで、張り切って臨んだ8月5日の落語会ですが
肝心の草々にいさんはめずらしく欠席。


 A子はまだまだ変わらない。誰にでも優しくて、何にでも
前向きないい娘。それでも草々のA子への態度は確かに違う。
喜代美と草々を繋ぐものは落語だけれど、その部分ではずっと
優しいけれど、落語バカの草々には、それしかないから、何の
ためらいもなく、A子にも落語にいくことをデートの誘いにする。
 A子にとっては、それはB子との繋がりであるから興味津々
断ることもないけれど、B子にとってはとても複雑だろうな。


 「A子と?」の質問にたじろぐ草々。喜代美の複雑な心は
そのままなんとも屈折したセリフになる。落語会A子に観て
貰えないなあ・・なんて。嘘です!と間髪入れずに入るナレー
ションが切ないほどだった。そしてまた、それに素直に反応
する草々。優しさが残酷なほどに・・。草々が喜代美に言った
「ほんまにええんか?」を喜代美はどんな気持ちで聞いたの
だろう?A子に見に来てもらえんくらいなんでもないんです!
そんなの嘘です。たまらないのは草々さんがA子と一緒に落語
を観にいくことです!・・そんなこと言えるわけないじゃん!


 そしてなによりたまらなかったのは・・草々の声が甘く
変わったこと・・・。叶わない恋のそばにいるのはつらい。


 明るい光に見えたのは最後の草若師匠。喜代美に初心者には
難しい「ちりとてちん」を与えたののは、ただ現在の喜代美を
見るだけでなく、喜代美がどんな落語家に育っていくのか
育っていってほしいのか、そんなことまで考えていたから・・。
 指導者の意志が、導くものの想いが、あとに続くものを
育てていくのだろう。未来はいつも可能性に溢れている!