撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

繋いだらええんとちがうけ?(ちりとてちん)

 何気ない正平のひとこと。もう二度と聴けないとどこかで
あきらめてしまっていたおじいちゃんと聴いた落語のテープ
がよみがえる。その落語を演じていた声の主は・・・!


 「これが師匠なんや
  俺のあいたい、もいっぺんあいたい師匠なんや」


 涙ぐむ草々。まさか、ちいさい時に聴いていたテープが
そんないまの自分に繋がるなんて・・・。


 これまた小さい時につくった箸の切れ端で作った工作を
草々に「恐竜や!福井竜や!」と決めつけられて(笑)凄い!
って誉められた正平くん。何か自分の胸に持っていたものを
思い出して、恐竜の研究をするために大学に行きたいと決心
する。


 想いはどこかに生き続けている。そして、芽を出す場所と
時期をそっと待ちかまえているような気がする。そして、巡り
巡る、とき。不思議に繋がる出来事・・出逢い・・ご縁とでも
いうしかないようなさりげないけれど特別なある日。


 しかしながら、ただ何もせずに過ごしているだけではそんな
特別なことはそうそう起こらないのだろう。ひとは知らず、
縁を結び、想いを繋いでいくのだろう。たとえ途絶えたとしても
疲れたとしても、また・・つないだらええんと違うけ?・・・
倦まず、あきらめず・・・そうしていればやがて、少しずつ
、自分の望む方へと変わっていけるのだろう・・そう思う。


「生きとったらなんなとあるわいね」という母の言葉も冷たい
ようで深い。この母、天然のようで時々とても深い。


「兄ちゃんが百桁までいうてんのかっこいい思っとったんや」
「おまえにすごいいうてもらお思って一生懸命覚えたんや」
 兄弟ってこんなところあるんかなあ・・と思わせられたセリフ。
お互い思い合っていても、すっごく時間差があったりするのが
素直に単純には上手くいかなかたりするところなんだろうな。