撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

折れない心

 長男のラグビーの試合から帰ってきた。・・・・やってくれました。ようやく
一勝をあげてくれました。


 試合は同じクラブチーム出身のキャプテン同士の握手から始まり、最後の最後まで、
最大7点しか開かない接戦。最終的にはゴール差2点を守りきった我がチームの勝ち。
何もしないし今日はたいして応援の声も出していないのに、終わったらぐったりする
ほどの緊迫したゲームでした。


 最後の10分ほどは点数も動かず、お互いチャンスを奪い合う展開。ミスもあるけれど
それが致命傷にならないように、どうにか持ちこたえ、相手陣地に引き戻しまたボールが
動き・・という繰り返し・・・。


 息が詰まりそうになり、だれとも話もできない状況。ただ、ただ、祈る。頑張れ!
頑張れ!と・・。どうしようもなくただ祈るしかできない母は、もう少しでその場に
座り込みそうになる。しかしながら、いや、耐えよう・・と。どうでもいい、何もなければ
母のために勝ってくれ!なんと言われてもいいからこの母に一勝を見せてくれ・・・と。
そう願い次の瞬間にいや、それではいけない、そんな願いでは通じない。そう、今まで
やってきた自分のために、今一緒に走っている仲間のために、正直に自分のために
勝ってくれ!と祈る。何度も何度も、ひとりうわごとのようにつぶやきながら祈る。


 マイボールで終われ!マイボールで終われ!と祈り続けて、ようやく鳴った
ノーサイドの笛。初めての勝利。いつもいい試合をしながらも勝てなかった彼ら、
出たくても人数が足りなくて出られなかった一年ぶりの15人制の公式戦でその悲願を
叶えてくれた。何よりも嬉しかったのは、3年生けが人ひとりいるものの、全員が試合に
出られたこと。その全員で、この一勝を味わえたこと。


 折れない心を見せてくれた彼らに感謝。彼のラグビーに関わってきて以来、最高の
一日、最高のプレゼントでした。