撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ノーサイド

 長男のラグビーの試合。このあいだは「観に行っていい?」と
本人に聞くと、「いいよ、別にでらんし・・」との返事だったのに
今回は返事が何故か歯切れが悪い。今回出るっちゃない?と
あたりをつけて観戦にいくと、会場についた途端に、役員のお母さん
から「相手が負傷で人数が足りなくなったから、不戦勝になったん
ですよ」とのご報告。恐るべし、我が家の長男の念力・・とか思って
しまった親・・(笑)。


 せっかくの試合の機会なので、勝敗はもうついているけれど、練習
試合をするとのこと。わが長男も出てました。あれ?ということは
うちの子のチーム誰か休んでるの?とか思いつつ、前半リードして終了。
後半はチームジャージを脱いでいるのでお休み?と思ったら、なんと
相手チームジャージを着てるじゃないですか!そうよね、人数が足りない
から試合が認められなかったんですものね。前半もうちのチームから
ひとり相手チームに選手を貸していたわけです。試合が終わったらそこで
敵味方なしのノーサイド・・というのはラグビーの精神だけれど、もう
すでに敵味方混合・・。いつもはプロップの息子がなんとセンター・
ウィングあたりの仕事をしている・・。パスを受けて、走ってはポイント
をつくり、パスしたりダウンボールしたり・・。はっきり言って初めて
観る子供のプレイばかりでした。途中、トイメンの選手(同じ高校の子)
から見事なタックルをもらい一度倒れ・・大丈夫か?と思ったら復活し
只今のチームメイト(相手高校)の観客席から拍手をもらい、後半を
無事にプレイし終えました。なんか、復活から志気があがったみたいで
相手チームが勝ってしまうし・・(笑)。密かに我が家では彼はラッキー
マンだと思っているわけです。


 それにしても、その時だけのチームメイトではあるものの、息子に
きちんとボールをまわしてくれていた相手高校の選手たちにもまた拍手。
最後に相手チームの前でみんなで並んで挨拶したときに、相手チームの
父兄からも「ありがとう」と声を掛けられたそうです。


 上を狙ってきついきつい真剣勝負をするラグビーもまた子供達を成長
させると思う。しかし、こんな勝ち負けを抜きにした交流戦でも、懸命に
プレイすればまたかけがえのない経験ができる。学年を越え、チームを
越え、ラグビーを愛し、楽しんで欲しいと思っている私からしてみれば
今日のこの体験もまたひとつの感動的なものでした。


 うちの長男のチームも、相手チームも、一年生しっかり入れて仲間を
増やして、次回は是非本来の15人制で対決したいものだと願った次第
でありました。