撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

その道中の陽気なこと!(ちりとてちん)

 いくつもの思い出がよみがえる。いくつもの想いが重なる。
どこかで見た景色、どこかで聞いた言葉。優しい微笑み、暖かい
手のひら、真剣な眼差し、こっそり流す涙。


 時を越え、緩やかに繋がる人々。不思議な縁で結ばれていく
人々。ひとりひとり違うその人だけの人生を生きていきながら
どうしてこんなに引かれ合うのだろう、焦がれ恋するのだろう
と思うほどの関係をつくりながら、またどうしようもなく
ほどけ離れていかなければならないこの世の無常を想いながら
それでも・・同じ道を歩いていくことを、誇りに思い、愛しく
思う・・・。


 「宝もん」といわれるもの・・。自分で知らずに脈々と受け
継がれていく命、血、DNA・・。当たり前にその場所にいると
思っているその環境、家族、周りの人々・・。そしてその先に
あるたからものは・・・? 静かに涙を流している四草が印象的
だった。彼にもきっとたからものとよぶにふさわしいものが
あるはずだ。自ら手を伸ばすことによってみつかるのか、または
気づかないところにあるのか。それとも彼自身の中に?


 とにかく、その道中に仲間がいることはしあわせなこと。人は
ひとり生まれ、ひとり逝くが、ひとりでは生きていけない。