撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

祭り

祭りの前の胸騒ぎ
祭りのあとの所在なさ


二人で歩いていたときは
何を想っていたのだろう
小指をからませてたくせに
何を見つめていたのだろう


おろしたての浴衣に気をとられ
鼻緒の痛みを我慢して
ふたりでいながら
自分のことばかり考えていた?


祭りの夜を想うと
若い恋を思い出す
暗闇に消えていく明かりを見送るように
青く苦い恋を想う