撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

わたくしのおちど(芋たこなんきん)

 男の指・・。綺麗に切りそろえられた、乾いた質感の爪を持つ
男の手。持ち主の考えによって、そのきちんとした爪さえも、
几帳面だったり、色っぽかったり、やけに腹黒いものを感じたり
する。自分の考え方だけで、世の中を渡っていこうとするのは、
とても危険なことなのかもしれない。


 週刊誌の記事に対して、こういうのには何をいってもかえって
悪いから・・と黙殺することを決めた町子さんに対して、どうしても
許せない純子さん。記者に「プライベートだから・・」と言って
しまったときも、最初から無視して通り過ぎればよかったのに
つい、立ち止まってしまった、昔ながらの礼儀正しい純子さんが
いた。向き合うことすらも時には避けなければいけない状況がある
ということは、本当は淋しいことだろうけれど、話しても話しても
分かってもらえない種類の人たちがいることをみとめなければ、我が
身が危ないこともある・・ということもどこかで知っておかなければ
いけないのだろう。


 純子さんと北野くんとのシーンは、純子さんの胸の中を思うと
キュンとなった。女の人で、年齢を感じさせない魅力を持っている
ひとって、色っぽかったり、可愛かったり素敵だな・・って思う
けれど、男の人で、どんな年齢層の女の人を前にしても、態度や
印象が変わらないひとって、これまた魅力的だな・・って思います。