撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

しんと静かな夜は

さりげない言葉に

その時の想いを載せた

昔の手紙を読むように

いまはいない人との

そんなやりとりを読み返す

もう増えることのない

消すこともできない言の葉

深くとろりと熟成した

ガラス瓶の中の果実酒のよう

それに酔うことはないけれど

時折眺めて心を落ち着ける