撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

つよく吹く風

 ふと見上げるとひこうき雲。雲と雲を結ぶようにずっとつながっている。頭を上げ、身体をそらし、それでも行く先に届かないほどの遠くへと続く。仕事を忘れ、しばし佇む。刻一刻と姿を変える雲たち。濃くなり、薄くなり、空の色をも変える。


 つよく吹く風。ここまで寒いと何も考えられない。それもまたよし。


 夕刻には冴え冴えと空に三日月。満月も三日月も同じ月。青空も曇り空も同じ空。いつもそこにある。しかしながら、二度と同じ空も月もない。


 時が流れるように風も流れる。ときにはおだやかにときにはつよく。追い風も向かい風もどちらでもよし。大事なことは自分の向かう場所へ向かい続けることだろう。