撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

あたらしい日常

 このところ新しいことを始めようと思ってちょっくら研修など
受けている。20年ほども前に歩いていた駅界隈の事務所の入った
ビルのあたりを大きなバッグを抱えて時折歩いている。時刻表を
見て、遅れないようにハラハラしながらバスを待つのも久しぶり。
人混みの中を信号が変わらないうちに走って道を横切るのも久しぶり。
 何だか場違いなところに迷い込んでいる気分もようやく抜けて、
ビルのガラスに映る自分の歩く姿を確かめたりしている。


 書類や資料の入ったバッグを今日はようやく心地よい重さと思う
ことができた。帰ってどれどれと計ってみたら4,2キロ(笑)。なぁんだ
高校のとき、毎日抱えて行っていたカバンより軽いじゃん。当時、あまりの
重さに戯れに計ったら7キロありましたもの・・(涙)。でも計って
みる性格は変わってないね。


 帰りにひとの視線を感じて振り向いたら男のひとが会釈してくれた。
軽く返しつつ誰かしら?研修先のお偉いさんかしら?見たことないけど
でも下手なことできないし・・と、むげに無視も出来ず迷っていたら
声掛けられた。どこかでお逢いしたことありませんか?って。ないねえ
とも言えず、横断歩道待つ間お喋りしてしまった。いったい誰?(笑)。


 もうすぐあたらしい世界が動き出す。忘れていたことを思い出したり
全く知らないものに出逢ったり・・。まだまだ分からなくて怖いことの
ほうが多いのだけれど、出来ることは目の前にあることに誠実に向き合う
ことだけ。日常でなかなか出来ないから後込みしていたところもあるの
だけれど、こんな機会だからやってみよう。やりたくてもできなかった
ことが自然に出来るようになるかもしれない。


 あたらしい日常は、真っ白なノートをおろした時のような気分を
わたしにプレゼントしてくれることだろう。