撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

さくら

 ずっと観てはいたものの、ここに書くには至らなくて・・。
以前観たときには気付かなかったいろいろな言葉に気付く。しかし
自分が今思っていることとすごく重なる部分もいっぱい出てきて、
知らず知らずのうちに影響を受けていた部分も大きかったかな、
とも考える。自分が漠然と思っていることを、きちんとした言葉で
言い表してもらえるのは、なんとも嬉しいことだと確認させられる。


 先週末には、一番印象に残っていた言葉が出てくる。おじいちゃんが
さくらに言って聞かせる。


 この世で一番してはいけないことは、自分の心に嘘をつくことだ。
そんなことをしていると、だんだん、自分がとおく思えてきて、
いつのまにか何も感じることの出来ない鈍い人間になってしまう・・と。


 江戸っ子のやせ我慢はこれとは違うと・・。やせ我慢は、自分の
心は自分できちんと分かって受けとめてやっている・・それでもその上で
じっと我慢しているんだ。自分の心を見つめようとせずに誤魔化しては
いけないと・・。


 きちんと向き合って、泣いたり、怒ったり、人に反論したり、甘えたり
そんな自然な心の動きは大切にしたい。自分が傷つくことを怖れて、それを
せずに、心の中に押しとどめていたら、それは、いつまでも癒えずに
じくじくと膿をもつ、苦しい傷になってしまいそうだから・・。


 ひとと向き合うことは、時として怖ろしい。しかしながら、もっと
厳しいことを強いられるのは、場面によっては自分と向き合うことかも
しれない。ひとは弱い・・。しかし、ひとは強くもなれる。弱さを知って
いるからこそ、優しくなるためにつよくなりたい・・そう思う。