撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

新しい風(どんど晴れ)

 何か、今までのものを変えていかなければいけない時には
特別な人の力が要る・・と。大女将が夏美を見て、この子を
加賀美屋の若女将に・・と考えた時もそう。環が、我が子を
脇へどけるというつらい選択をしてでも柾樹に加賀美屋を
継がせようと決心したのもそう。大切なものを永く続かせる
ためには新しい風を興す人が必ず必要になると・・。


 流れを読むひと、流れを守るひと、そして流れを作るひと
その流れをつくるにあたってどうしても必要なひと・・。
 大女将も女将も、未来を見つめるひとには、そのことは
よく見えていたに違いない。そして、その風を吹かせるために
どんな痛みを伴うかも・・。だからこそ、伸一に、「自分で
気付かなければどうしようもないのよ・・」とつぶやいて
いたのだ。母親の自分がいくら言って聞かせてもこればかりは
かえってその立場が邪魔をしてそのまま伝わることもむずかしく
て・・・。そこに大女将がおばあちゃんとして出てくるところが
憎いなあ・・と思っちゃいます。家長として筋を通し、しかも心を
汲み取るカツノ。祖母として・・といいつつ、居住まいを正し
平治さんに後見まで頼み、大切な区切りをつけるカツノ。


 まるで子供だったな・・と、自分のことを語り、自ら柾樹が
跡を継ぐ・・と宣言する伸一は、天晴れでした、時江さんが
襖の影で涙を流すのも無理ないよ(笑)。しかしながら、こう
上手くいっちゃうと、あの、伸一が酔っぱらってくだまいていた
クラブ(?)での、調子よくって怪しい男が、いったい加賀美屋に
何を仕掛けてくるのか気になりますねえ・・。まあ、大したことが
できるようなキャラにはあまり見えないのではありますが(笑)。