撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

出光コレクション・美のこころ

 空に何本ものひこうき雲をみつけ、そのむかし「空に落書き」なんて
歌があったよな・・と思いだしていたのが昨日の夕方。夜半には突然の
雨と雷。今朝はいきなり冷え込んで、かと思えば昼にはぽかぽか陽気。
女心と春の空・・・とか?私だって負けますってこんな天気(笑)。


 天気を心配していたけれど、予定決行、・・というほどでもないけれど
久しぶりの美術館です。大濠公園を望む福岡市美術館で開催されている
出光コレクション・美のこころ・・とか。


 昔にくらべると、平日の美術館も人が多い。本当は、ガラガラの
ひっそりとした雰囲気の美術館が好き。自分だけのためにその中の
ものたちが待っていてくれたような気分に浸りながら、時折通り過ぎる
ひとと密かな共感を感じられるようなそんなひとときが好き・・なの
だけれど、そんな贅沢もいってられません。なんといっても美を愛する
ひとはいっぱいいるのだから・・なのでしょう。


 美術品を鑑賞するのは、ひとと接することに似ている・・などと思った。
あまりにたくさんの人を目の前にすると、どれも大して変わらないような
もう面倒くさいような気がするけれど、さて視点を変えて、そのひとつに
まず向き合ってみると、その魅力が何となく伝わってくる。そうなると、
あれは?次のは?と、どれにも興味が湧いていて、ひとつひとつ確かめ
たくなってくる。もちろん、いかにもひかれるものと、どうしても興味が
湧かないものと、その感覚の違いはあるのだけれど、それは人に対して
だってあるよね。


 しかし、コレクターって男だよな・・と、以前貸本屋のお兄ちゃんが
言っていたことを思い出す。女の人はよく貸本屋を利用するけど、男の
人は、結局自分で買いたくなるみたい・・って。まあ、それだけのお金を
持っている・・ということにも関係するのだけれど・・。趣味の部分と
使命のような感覚の部分とあるんだろうな・・。


 芸術を産み出す男と、芸術を作らせる男と、芸術を集める男と・・・。
このすばらしき芸術品の数々を眺めながら、何故だか興味はその後ろに
見え隠れする「人間」というものに注がれていくようだった。


 全然知らなかったのに、別室で知り合いの方のグループ展があって
いたのが奇遇でした。今日出掛けた・・ってことに意味があったのかな?
なんて、一粒で二度おいしい一日でした。