撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

夫・達彦(純情きらり)

 やっぱり達彦さんが好きだ。どこからみてもかっこいい。
かっこよくなくって情けないときも、愛しかった。文句の
つけようなく、美しい。


 特に、この何日か、桜子に贈るひとつひとつの言葉が
素晴らしい。こんな風に言ってもらえる奥さんって幸せだ。
冬吾は、冬吾で、女が、人が、その時一番言ってほしい名言を
いくつも吐いていたけれど、達彦さんの言葉はそんな誰にでも
言える言葉じゃない。一番大切なひととの、かけがえのない
時間に、これもまた命を削るようにして生まれてきた、宝石
のような言葉だ。


 その達彦さんが、ピアノを前にして言った、その日のために
今日があるんです・・という一言は、泣けました。


 達彦にピアノを弾くことを勧めた西園寺先生。彼は、本当に
音楽を愛しているんだろうな、と思いました。そして、その世界
で、生きていけることを感謝している。だからこそ、彼が
関わった、音楽を愛する人たちのためにこんなにさりげなく
力を貸してくれるんだろう。達彦のピアノ演奏を聴く先生。
そして、その横で泣いている松尾さんが、なんかうれしかったなあ。