撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

芽生えるもの(純情きらり)

 秋山さんと桜子のピアノの音にひかれて部屋にやってきた加寿子。
音楽の力って、すごいなあって思う。美しい音が流れる環境って
しあわせだ。先週の笛子たちの家族の場面で、明かりを落とした食卓で
かずちゃんが、「埴生の宿」を口ずさんでみんなで小さな声で声を
揃えてうたっていたのも、なごんだ。かずちゃんのなかに、確実に
音楽への興味が芽生えている。あたたかいひとのこころだ。


 敵性音楽に怒鳴り込んできた隣組町さん。その息子さんが、戦争で
けがを負って、杏子さんの病院にいる。組長さんも、きびしいことを
いってはいるけれど、冬吾さんにつっかかっていたご婦人と一緒で、
ひとの親だし、人の親として辛い現実を背負っている。戦争なんて
嫌だと叫んでも、どうしようもない現実にすでに傷つけられて、そう
言ってももう引き戻すこともできない人生を生きている。
 杏子さんとの出会いは、どういう物語につながるのか?出会いから
なにかが芽生え始めている。


 八重さんに、生命のめばえが・・・。眉間にしわを刻みながら、その
存在の重さを感じている八重さんが不憫だった。彼女は、どうやって
この事実を受け入れていくのか・・・。