撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ボタンをつけながら

 外出先でボタンが取れた。連れが気づいて見つけてくれた。そのボタンを
朝起きて、一番につけた。昨日は、疲れ果てていたのでとにかくなくさない
ように、帰ってすぐ引き出しになおしておいた。お気に入りのブラウスだ
ったので、本当に助かった。実は、昨日初めて外に着て出たものだった。
 ひとりだったらなくしたままだったかも・・。ほんとうに感謝している。


 ボタンをつけながら、改めてブラウスをみた。ボタンの付け方も、普通と
少し違う凝った作りだった。久しぶりの針と糸と、ブラウスに敬意を表して
ちょっぴり緊張した。


 あらためて考えた。自分が持っているものをこんなふうによく見ていた
だろうか?ひとつひとつに、こんなに神経を使って接していただろうか?


 家族がふたりいない、少しゆっくりした家で、自分の時間を持ちながら
考えた。いつのまにか、自分の目でばかりみつめ、いろんな考えを巡らして
いる錯覚に陥りながら、そのすべてがわたしでしかなかったことに気づいた。


 考えていることがあり、言葉がある。伝えたいことがあり言葉がある。
出会いがいつも幸せのためであれ・・と願うように、言葉もまたいつも愛を
伝えるためのものであれ・・と、あらためて思う。ひととして、まっすぐに
立ちたい。寄りかかることなく、なにかに過度に頼ることなく。そして、
澄んだ瞳と澄んだ声で、ひとと関わっていきたい。昨日までを消すことは
できないから、それが間違っていなかったと思えるように、毎日を大切に
生きていきたい。


 いきなりですが・・・夏休み初日の宣言・・かな?