撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

笛子(純情きらり)

 笛子はまじめだ。笛子は不器用だ。そして笛子はおんなだ。


 笛子というひとに惹かれる。とてもしっかりしているように見えながら
どこか危ない匂いを漂わせているところが目をはなせない。自分の考えを
もちながら、どこか定まらないところ。母でありながら、冬吾にとっては
完璧なほどおんなでありつづけるところ。きりきりと弦(いと)を張って
ピンと背筋をのばしながらも、そのあまりの高さと、純粋さにいつか
ぷっつりと切れてしまいそうな危うさを感じる。


 笛子たちの息子に、目の異常がみつかった。笛子は嫌が応でも母の存在に
引き戻される。冬吾との関係にこころを砕いていた笛子は、自分を全否定
するほど責めるのではないかと心配だ。いままで気づかないほどに、彼女は
一途で、不器用なのだ。彼女が、このことにどう心を動かされ、どういう
決断をしていくのか、来週は笛子に注目していきたい。