撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

吉田秋生

 吉田秋生は好きだ。すっごくハードな内容を描いているものもあるのに、
汚れることなく、どこか繊細な透明感が感じられるところが好きだ。
 目をそむけたくなるような、残酷なシーンだって、なかった訳じゃない
のに、そういうものは、できれば避けたいと思ってるし、世の中から
なくなってしまえばいいと思っているのに、吉田秋生の作品を読んでいる
と、目を背けちゃいけないと思ってしまう。その先に、ほんとに伝えたい
ことがきちんとあるから、いたずらに描いてるわけではなく、そのシーンに
必然性があるからなんだろうと思う。


 でも、一番好きなのは、手をつないだり、となりにいて体温が伝わったり、
おでこにのせてもらったてがひんやり気持ちよかったり、そんな理屈抜きの
人と人とのふれあいを感じさせる部分が、こころとからだにジーンと
しみこみます。