2017-11-14 記憶 PINK 記憶は軽々と超えていく 季節を 場所を 時空すらも 街角の草花に 川の流れに 吹く風に 一杯の紅茶に 一枚の絵に 一歩の距離に 眩しい光に 抑えた呼吸に 頬をなぞる指先の感触に 数千数万それ以上の記憶のなか 不意に浮かび上がるもの 目覚めたときに 蘇るように思い出す景色 淋しさすら 抱き続ければ温かくなる 執着を濾せばそれは愛しさ 名前すら要らない ただそこに在るだけでいい ときと場所を同じくして 生きていた記憶だけでいい