撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

流れ

さらさらと流そう
こころにひそむもの
身の内をめぐるもの
昨日の棘
淵にたまる澱


種を蒔き
木を育て
土を耕すとしても
それは
今年の実りのためだけではなく
ずっとつづく流れのためであることを
こころのどこかに覚えておきたい


ひとの生きる長さよりも
はるか永久(とわ)を生きてきたもの
その声を聴きながら
その胸に抱かれながら


一瞬の夏を味わいながら
永遠の命のひとかけらであることを忘れず
いまは
ようやく晴れた
この心地よい風にしばし吹かれていよう